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「アテネ市民が享受する自由は、疑いや嫉妬が渦巻くことさえ自由というほど、その完成度は高い」
「アテネ市民が享受する自由は、疑いや嫉妬が渦巻くことさえ自由というほど、その完成度は高い」
————ペリクレス
自由、という言葉ほど人によって違う意味を持つ言葉もありません。しかし少なくともアテネ市民にとっては、人間の悪感情すら受け入れる自由こそが、「完成度の高い」自由だったそうです。私もこの考えに賛成です。
アテネは現代でも民主政の象徴としてふさわしい国家ですが、同時に強固な奴隷制を敷いた国でもあります。市民平等と強固な規定され流動性の低い奴隷身分、現代日本の価値観からすれば、という前提ですが、明暗のある国家でした。実質的な意味で身分の存在しない世界が存在できるのかどうか、現在も結論は出ていません。