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ゲームが上手なやつは遊びに誘われやすい(2)

 突然だが、自分が子供だった時のことを思い出してみてほしい。人気者……または人気者から好かれている人はどんな人だった?


 運動の出来る人? 頭の良い人? 優しい人?ヤンキー? 面白い人? いいやどれも違う。答えは……


『ゲームの上手い人だ』


 テレビゲーム、カードゲーム、コインゲーム、スマホゲーム……世の中には古今東西様々なゲームが存在している。


 そのゲームが人気な程、上手い人の価値は比例して上がっていく。例を紹介しよう。


 小学生の頃にメダルゲームが流行っていた。そこで1000枚以上のメダルをゲットしたよっちゃんは、次の日学校で神として崇められていた。


 中学時代はカードゲームが流行っていて、全国大会ベスト8という記録を残している田中は、学校で田中のことを知らない人を探す方が難しいくらいの有名人だった。


 高校時代はテレビゲームが流行り、ス〇ブラの強い葉月君は、噂を聞きつけて他校から勝負にやって来る人が大勢居たほどだ。


 要するに……ゲームが上手けりゃ超人気者になれるってことだ。


 ───


「すごろく大会だぁ! エミリオお前はすごろく大会に出て優勝するんだよ! 人気者間違いなしだ!」

「な、何を言ってるんですか。そんなの……無理ですよ……」


 エミリオは不安そうな顔をして、ビクビクしている。……しかし人気者になるにはこれしか無いのでは?


 と考えていると、片桐が話しかけてきた。


「しかしホムさん。すごろく大会の日時調べてみたんっすけど、一週間後っす。ちなみに参加受付は明日までっす」

「ん、充分じゃないか」

「……マジで言ってるんっすか?」


 と片桐は不安そうな顔でこちらを見てくる。何か変な事言ったか? 申し込み間に合うじゃないか。


「何だ? 何か問題でもあるのか?」

「いや、練習とかしないと勝てるわけないっす! しかもこんな短時間で……」

「所詮すごろくだろ? 何も練習なんて必要ないだろ」

「何も知らないからホムさんはそんなこと言えるんっすよ」


 すごろくに練習なんて必要か……?


「……じゃあやってみます? このゲームが人気な理由と練習が必要な理由が分かると思うっす」

「そんなに言うならやってみよう。エミリオもやらないか?」

「あ、はい……」


 片桐は小さな駒を取り出して、テーブルの上に置いた。


「……ん? ボードは?」

「いらないっす。これで準備は整ったっすよ?」

「何を言ってる……?」

「いいから持つっす。ほらエミリオさんも」


 するとエミリオは言われた通り駒を持って、しばらくすると目を閉じ始めた。


 ……いや、目を閉じたのではない。意識を失ったのだ。


「えっ? えぇ!?」

「いいから持つっす。ボクも持ちますから」


 そう言って片桐は駒を1つ持つと、意識を失い始めた。


「えっ……怖っ」


 ……何これ? 何この状況? すごろくだよね? すごろくやろうって言ったのに……何で意識失ってんの?


 しかし二人ともスゥーという呼吸音が聞こえてくるので、死んでるという訳では無さそうだ。


 ただのすごろくじゃねぇなこれ……もしかしてとんでもない闇のゲームが始まってしまうのではないか……?


 しかしこれ以上悩んでも仕方がない。俺は震えながら、恐る恐る残った1つの駒に手を伸ばして……持った──



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