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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
この連載作品は未完結のまま約7年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

娘と槌と月の残骸

作者:kin
 私は一般的な娘ではなかったのだと思う。

他の子たちが野原で花と戯れる中、私はかまどで火花と戯れていた。
煌めく宝石には見向きもせず、揺らめく炎に魅入られていた。
皆が魔術師の杖を振るう中、私は鍛冶師の槌を振るっていた。
布を織ること無く、剣を鍛えつづけた。

 ただひたすらに父の背を追い、いつかその名を継ぐと信じて疑わなかった。

 しかし、ある日気づいてしまったのだ。

今揃えられる最善の素材で、自分の最良のコンディションで、籠められる最大の魔力で、鍛えられる最高の魔剣を作り上げたその日に。

 ああ、私は父を超えることが出来ないと

だから、これは拗ねた私の我が儘だ、ただの八つ当たりで、ちょっとした嫌がらせで、僅かな希望に縋った悪あがきだ。

そしてあえて言うなら家出のだしでしかないのだが、とりあえず母の痕跡を追ってみようと思う。

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