下着姿の少女
「がたっ」
何かが動く音を認識し、オレは自分の意識が戻っていることに気が付いた。一瞬の停止の後、脳が一気に働き出す。
ここはどこだろうか。一体どのくらいの時間、意識を失っていたのだろうか。というか、あのとき確実に死んだと思ったのに(根拠はないが)どうして助かったのだろうか――
答えを探るべく、重くなった体を起こし、視界からより多くの情報を・・・
「え…」
「はっ!?」
前世からの因縁であろうか。目に飛び込んできたのは下着姿の美少女であった。薄く水色がかった髪は肩まで伸び、室内の光を鮮やかに反射させていた。頭の先から目でなぞっていくと、初めは線の細い華奢な体が可愛げに延びているのだが、腰辺りからやや豊満な感じも見受けられ、とても良い。うん、すばらしい。
「何こっちみてんのよ! 変態!」
恥ずかし気に体を隠しながらも、目はしっかりとこちらを捉え、怒りを訴えてくる。
「おいおい、同じ部屋に下着姿の女の子がいたら見るに決まっているだろう。そのタオルをどけてくれないか。」
「ふざけないで! あんた一週間も気を失っていたのよ! 他に踏むべき手順があるんじゃなくって!?」
「いや、もちろん気になることはたくさんある。というか、オレ一週間ものびてたのか・・・。」
「そうよ! 目が覚めたところで残念なお知らせだけど、あんた、これから死ぬから。せいぜい短い余生を楽しむことね!」
そう言うと、謎の少女はそそくさと着替えて出て行ってしまった。俺はもう少しで死ぬらしい。