第7話 十道ひめか②7月10日
今回の話は少々胸糞悪い話です。覚悟の上お読み下さい。覚悟ができない方も、やはり呼んで下さい。
【Kiss the dust】…ひめかがこの能力に目覚めたのは小学校五年生の夏だった。
{おはようございます。7月10日7時35分、モーニングワンの時間です。ではさっそく、本日のニュースにまいります。}
朝食を済ませ、朝の支度もほとんど終え、歯を磨きながらひめかはニュースを見ていた。
{今週、藤川町内で三件起きている女児誘拐暴行事件は同一犯の可能性が高いとして、警察は捜査しています。}
「あら〜物騒ねぇ。あんたも気を付けなさいよ?」
「私は大丈夫よ。」
「まぁ、わかんないじゃない?」
「いってきます。」
歯磨きを終え、登校する。途中で車から男の人が出てきた。
「やっぱり!ひめかちゃんじゃないか!」
「…どちら様で?」
「あはは、無理もないか。吉田 博文…お父さんの弟だよ…あ、今はお母さん再婚して十道さんだったね。」
「お父さんの?」
ひめかの実父は、二年前に過労で他界している。そして1ヶ月前に母は、娘のためにもと再婚して十道になった。
「そうだよ、久しぶりだね!仕事でこの辺来たから会えるかと期待してたけど良かったよ!…これから学校かい?」
そう言いながらこちらに近づいてくる。ひめかは警戒しつつも、立ち止まっている。と、いきなり捕まれ車に放り込まれる。誘拐、だった。車内には、他に二人の男がいた。そいつらにより目隠しをされ手足を縛られた。暫くして車から降ろされた時には、3人の男はかなり興奮していた。目隠しを外された。無抵抗な少女に男達は油断し、足の縄を解いた。と、ひめかはいきなり走り出した。これを狙っていたのだ。この一瞬の為に、車内では無抵抗にしていた。だが、一人の男が飛びつき脱走は失敗した。その男は既にズボンを脱ぎ捨てている。ギラギラした目をして、歯並びの悪い口で、ひめかの唇に吸い付く。ひめかは必死に抵抗するも、力の差は大きく無駄に終わる。
「殺す!殺す!殺す!このクズ!死ね!」
涙を流しながら、殺意を向ける。この瞬間に、何かが体の内からあふれ出した。そして、男は消し飛んだ。
「【Kiss the dust】《クズは死ね》」
この後、二人掛かりでひめかを取り押さえにかかるが、ひめかは逃げ出した。車で、追ってくるが細い道に逃げ込み走る。交番が見えたので駆け込んだ。
この事はひめかとその家族しか知らない。能力についてはひめかだけが知っている。
キャラクター紹介
名前:十道ひめか
能力:【Kiss the dust】《クズは死ね》
キスした相手の唇を中心に、最小範囲だと相手の唇だけ、最大範囲だと相手の全身を消し飛ばすことができる。また、一度キスをした相手なら、好きな時に消し飛ばすことができる。その時は、その人物を中心に、半径5メートルまで消し飛ばすことができる。
好きな物:小説。信頼できる女子。
嫌いな物:男子。エロい話。キス。