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Mud Lover  作者: CWP
一年前期 -正義の名の下に-
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第5話 十道ひめか①

この話では、新キャラがたくさん出ます。どれも重要人物で忘れては行けないキャラクターです。が、かなり出るので忘れるでしょう。だから、アドバイスです。「フルネームで覚えず、ニックネームを付けてください。林元順次を例に挙げると、ジュンとこのようにオリジナルの愛称をつけることで、人のことを忘れないでしょう。ぜひ、実生活でも役立ててください。

七時二十分、中学校についた。眼鏡の奥で、常につまらなそうな不機嫌そうな目をしている少女。首くらいまでのショートヘアの黒さは、日本美人というのふさわしい。背は160センチ弱で、高くはない。

「ひめかぁ〜」

「おふぅ」

いきなり抱きつくのは、小学校からの友達高根 あや(たかね あや)だ。抱きつかれたのは、十道ひめか(とみち ひめか)。二人は科学部に所属する中学一年生だ。

その様子を教室のドアから、右目だけ出してジッと見つめるのは涼星。二人とは隣のクラスである。二人が教室に入った後、席に戻りため息をつく。

「あや…いいな。羨ましいな。僕もひめかに、ハグして、キスして…くぅ〜〜‼︎」

「オイ!なに妄想してんだよ。気持ち悪いな。」

そう言うのは、同じクラスの女子近藤浜子(こんどう はまこ)だ。

「ひめはお前のこと嫌ってるから。まじ、そういうのやめろ。本気でキモいわ。ガチでありえない。」

そう、涼星はひめかに嫌われているのだ。しかし、小学校の頃は仲良く話していた。なぜ嫌われたのかは、未だにわからない。気分が悪くなった。

「神話になっーれっ♪」

そう歌いながら1-3の教室のドアを勢いよく明け放つのは、同じ部活の同級生奥原 時太郎(おくはら ときたろう)だ。常にテンションの高い、うるさい奴である。が、同時に…いや、それ以上に変人である。顔も悪くないし、話は上手で、優しさのある人なのにモテないのはその変人度が尋常ではないからだ。だが、涼星の友人だ。

「はよぉ!クールスター!」

「…涼(涼しい=cool)星(星=star)でクールスターか…!おはよう」

「そゆことぉん」

そう言いながら荷物を席に起き、お茶を一口飲む。

ガララ、次に入ってきたのは…

「おはよう…げ、もういるの?ハァ、さよなら、私の爽快な朝。そしてこんにちは、私の憂鬱な1日。」

「あ!グッモーニン‼︎早苗ちゅわん❤︎時太郎より愛を込めて!」

ニッコリと何のためらいもなく言い放つところも変人である。そして、言われた女子桜木早苗(さくらぎ さなえ)も、見つけてすぐああもスラスラと言葉が出てくるのがすごい。さらに、時太郎は今の言葉全てが本心なのだから恐ろしい。

その清々しく開けっぴろげな性格を、涼星は何度も羨ましく思った。だが、じっさいこれをひめかにやっても気持ち悪がられて終わりだ。これは、嫌われてるのに関係なく、ひめかの性格である。ひめかはできるだけ静かに平穏に日常を過ごして行きたいのだ。


翌朝、ひめかは学校の保存林で不良に絡まれていた。

「あの〜林元先輩、私は学校にお金を持ってきていないのでお金は出せませんが?」

「あ〜ぁ、前にも聞いたな。が、どうでもいいんだよぉ、金なんて今はなぁぁ?」

「でしたら、何の用で?あと生徒手帳、返してくれませんか?」

ガャリリ、持っているシャベルを石畳の地面に擦らせる。

「こないだよぉ〜、彼女にフラれてなぁ?女に飢えてたのよ。そしたら、お前を見かけてな、ビビッときたのよ俺の股間になぁ!ここは、普段誰も来ねえ。減るもんじゃねぇし。どうせこの学校卒業する頃には、処女なんか捨ててんだろ?こんないい女ほっとかなあかんなぁ!」

要するに、シャベル持ちのジュンは犯罪(美少女)を犯そうとしているのだ。ここで、イヤ!とか、やめて下さい!となるのはAVの世界だ。特に、ひめかはそうならない。いつものつまらなそうな両目で、眼鏡越しにジュンを見つめる。

「ハァ、私立に行けば良かったかな?ほんと、めんどくさいなここの馬鹿どもは、入学初日にもそれ言ってきた生徒がいたよ。」

「なぁんだ、もうヤッてんのか!なら話は速え」

ベストを奪い去りブラウスを破こうとした時、ひめかが落ち着き払って言い放つ。

「|【kiss the dust 】《クズは死ね》…脱がす前にすることがあるでしょ?」

「オホォ!ノリノリだねぇ!嬉しいよぉ!今キスとか言ったよなぁ?英語はしらねぇけど、して欲しいってことか?」

そう言って、キスをする。ジュンの唇がひめかの唇に触れたその瞬間、ジュンの唇が吹っ飛んだ。いや、爆発に近いかもしれない。だが、肉が飛び散ったのではない。パッと消えたというのもおかしい。まず爆発して、その後それらが蒸発したというのが正しそうである。ジュンは目を白黒させている。

「もう私に絡まないでね?それから、このこと誰かに話したら、今度は唇だけじゃ済まないわよ?とりあえず、その空っぽの頭一つ消しとばすからね?」

ベストについた砂を払い着直す。そして、眼鏡をかけ直す。その奥には、まったく、微塵も微動だにしなかった、つまらなそうな目が平然と澄ましている。

「これはノーカンね。私はまだファーストキスはしていないわ。」

この話で、やっとメインヒロインの十道ひめかが登場しました。キャラクター紹介は次回のあとがきでするので、その前に言わせて下さい。

ひめかはシャベル持ちのジュンの唇を消し飛ばしました。が、ここで「ひめか、えげつねぇ」とは思わないで下さい。あくまでも、先にジュンが強姦しようとしています。それに対しての正当防衛です。もし殺してもそれは正当防衛となります。勿論、証拠は残らないので警察には捕まりませんが。

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