アウトドアな日々
『車にのれ』
親父の仕事が休みの日曜日。
出かける事が多かった。
一年の春夏秋冬にイベントのごとくに山に行く。
四季に分けると
・春 筍を掘りに。タラの芽の山菜を採る。
・夏 空手道場の子供、親と100人規模のキャンプ
・秋 アケビ、自然薯(山芋)、松茸採り
・冬 県北部の山にログハウスなどを見に行く。
(親父の趣味)
山や海へは自然と行く回数が多く、
小さい頃からよく行っていた。
『あんた5歳位まで水が怖かったんよ』
お袋が小学生の頃、私に言った。
何故怖かったのだろう。不思議に思った。
それは夏にキャンプに行った際、親父の空手道場の毎年の揺るぎない行事として、8月のお盆には
毎年、山のキャンプ場に大人数で行く。
空手道場の合宿だから練習ばかりと思われがちだが、練習はあまり無く、子供達に自炊させ、
ハンゴウで御飯を炊き、料理を作り、自然と触れ合う事を主とした合宿となる。
キャンプ場についたら、全員で荷物を運び、
テントをはり、大人子供共同で準備をする。
その後、道場生は水着に着替え、川へと移動。
川での水泳が始まる。大人が10人くらいで川の中で待ち、道場恒例の、度胸試しと言わんばかりに、2mある岩場の上から子供を飛び込ませ、
度胸をつけさせるというもの。
小さい子も難なく川に飛び込み度胸をつける。
私が3歳の頃、親父が私の足をもち、川に投げた。まさに、ライオンは高い崖から、、、と言いたい所だが、そんな訳はない。
勿論、大人が川の中で10人以上待機している為、
大丈夫なのだが、その後私が、水を怖がっていたという事は言うまでもない。
『俺が川に投げてから、お前何年か
水を怖がっていたな』
いやいやいや。それは怖がるでしょ。
なんでやねん。
でも何故か川が好きになり、中学生の時には、
人よりも高い場所から飛び込みをする子供に成長。度胸は人一倍ついていた。
そして、夜にはキャンプファイアーが始まる。
保護者も子供も全員参加する。
ここでもまた親父が
『はい。それでは一人一人順番に踊ります。
ミュージックスタート!』
恥ずかしさなど全く関係ない。
踊りは何でもいいからとにかく踊る。
そんな毎年の行事を高校3年まで出席。
人前に出ても恥ずかしさを無くせ
という親父なりのメッセージが詰まっていたのだろう。 この他にも、空手道場の忘年会では、
1人ずつみんなの前にでて、学校の校歌でも何でもいいからと、歌を歌う。これが結構何年もやっていると、恥ずかしさが無くなる。
いざ人前に出た時に、という、
将来の為にという親父の考えには、
今でも全く私は及ばない。