冒険者登録!
俺は、受けとった書類に名前、種族、年齢を2人分書き記した。
「よし。書き終わりましたよ」
「ではこちらの方で確認いたします。しばらくお待ちください」
書類を受け取った受付嬢は記載された内容を確認しているようだ。
俺はギルドの中を見渡す。
うん。やっぱり人の数が少ないようだな。ギルドでは魔物の毛皮やら角などの素材の買取りを行っているようだがそれは別の部屋で行うようで、すでに依頼の報告をおえたロイスたちはそっちにいっているようだ。
ギルドで請け負うことができる依頼の一覧を張り出した掲示板のようなものの前に2人ほど、それとギルドに併設された酒場のような場所に3人ほどいるだけだ。それにその3人も真面目に話し合ってるようで酔ってはいないようだし、見たところ他の人に絡んでくるタイプでもなさそうだ。どうやら異世界転移物の定番である、「ギルドで登録するときに先輩冒険者に絡まれて返り討ち」というくだりはなさそうだ。
俺がそんなくだらないことを考えているとどうやら確認が終わったようで受付嬢が話しかけてくる。
「確認の方が終わりました。ギルドカードを発行するのでもうしばらくお待ちください。待っている間にギルドにおける決まりや受ける依頼についての説明をするのですが分かっている場合は聞かないこともできますが、いかがいたしますか?」
この世界の住人ではないから当然俺たちはギルドの仕組みなど知らない。ましては江戸時代の日本はおろか、平成の世界でも冒険者ギルドなんてものは存在しなかった。
「すみませんが、聞かせてください」
「分かりました。それでは、説明させていただきます」
受付嬢は、ギルドの仕組みやルールについて説明してくれた。
「まず、冒険者にはランクがございます。ランクは上からSSS・SS・S・AAA・AA・A・B・C・D・E・Fとなっております。S以上はほぼおらず、現在トップレベルといわれる方は大体AAAくらいです。A以上になれば他の冒険者の方からも一目置かれますし、国によっては貴族と同じ扱いを受けることもできます。ここまではよろしいでしょうか」
「ええ」
やはり冒険者にはランクが存在するようだ。
「Dランク以上になると冒険者として一人前と見なされます。活動する冒険者の方たちの中で一番多いのはだいたいCとDあたりになります。またB以上になるとギルドや依頼人から指名されることも多くなります。他にもギルドにより緊急招集される場合もございます。」
そのほかにも、依頼は自分のランクの一つ上までは受けることができるということや各依頼には設定されたポイントがあり、それが一定のポイントまでたまればランクUPすることができるらしいといったこと、依頼に失敗すると違約金を払わなければならないことなどを説明された。
違約金なんて払いたくないし依頼は慎重に選んだ方がいいかもしれないな。
「それでは、ギルドカードの方が出来上がったのでお渡しいたしますね」
俺たちの前にギルドカードとやらが差し出される。
「依頼を受ける際と完了したときにこのカードを受付に出してください。こちらのカードの中に実績などが記載されます。これで手続きと説明のほうは以上になりますが、大丈夫でしょうか」
「ええ、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「それでは、お二人のご活躍をお祈りいたします。頑張ってください」
これで俺たちはこの世界で冒険者になった。これからどうしようかな。
読んでいただきありがとうございます。