シーちゃんとトイレ
〜〜〜〜シーちゃんとトイレ〜〜〜〜
俺は今かつてないほどのピンチに陥っている。
場所は俺が通っている小学校の体育館・・・・の脇にあるトイレ。
俺は今、ここから出られない。なぜか。それはケツがふけないからである。ではなぜケツがふけないのか。答えは簡単。トイレットペーパーがない。
『ねーキョーちゃん。今日のよるご飯なんだろうね』
『・・・・』
『ねー聞いてる?キョーちゃん』
『・・・・』
『ねー無視しないでよキョーちゃん』
『・・・・』
『ねーってば』
『うるさいな。今がすごく緊急事態だということをシーはわかっているのか』
『あれ?シーちゃんって呼んでくれない!?ていうかどうしたの』
『トイレットペーパーがなくてケツがふけない』
『・・・・・で?」
『いや、で、じゃないでしょ。ケツがふけなきゃ出られない。そしたらお前の大好きな夜ご飯も食べられない」
『そ・・・・・・そんな』
『だから早くどうしたらいいのか一緒に考えろ』
『ウォシュレットは?』
『学校のトイレは古くてウォシュレットなんてついてない』
『じゃあトイレットペーパーを交換したら?』
『交換するためにはどうしたらいいかわかるか、シー』
『うーん。新しいトイレットペーパーを出す』
『じゃあ新しいトイレットペーパーはどこにあるかわかるか、シー』
『トイレの外』
『じゃあそのトイレの外にあるペーパーを出すには?』
『キョーちゃんが外に出る』
『絶対に嫌だ』
『何で?』
『俺にも恥ずかしがる事ぐらいあるんだ』
『でも見られなければいいんじゃない?』
『・・・・。それも・・そうか。・・よし、今このトイレの近くにいる人の数を教えてくれ』
『8人』
『ファッ!?』
『隣の個室に二人。個室の外に6人並んでる』
『終わった・・・・』
『でも外にいる人にトイレットペーパーとって来てもらえばいいんじゃない』
『ばか。このままケツ丸出しのまま人様の前に出ていくつもりか』
『それはだめだね・・・・いやでも声出すだけなら大丈夫じゃない?』
『声・・・。それもそうか。声だけなら誰だかわからない・・・よな』
『うん。きっと大丈夫だよ』
俺は鼻をつまみながら声を出した。
「あの。外にいる方。今トイレットペーパーがなくて困っているんです。どなたかとってくれませんでしょうか」
鼻をつまんでいったので声はかなり変わっていた。これなら誰が言ったのかわからないだろう。かくして個室にトイレットペーパーが投げ入れられ、俺はケツをふく事ができた。
『サンキュな。シーちゃん。これで夜ご飯が食べられる』
俺はトイレの個室からでて手を洗った。なんだか並んでいる人がこちらを見ながらクスクスと笑っている。嫌な人たちだ。
『ねー。キョーちゃん』
『なに。シーちゃん』
『今さ。個室にいたのがキョーちゃんだって事。ばれたよね』
『・・・・・・・・シーちゃん。それ先に言ってほしかった』