…戦い 3
…それは、親の片見。
かつて、この狂った王に殺された者の、
“革命の一番星”と呼ばれた親の私物。
神話の天使が刻まれた銀色の銃。
……お父さん…お母さん。
僕、頑張った…よ?
目から流れる雫…涙。
憎むべき王とは言え、人を殺した後悔と罪の重さ。それが、心を重くした。
赤い大地ではなく、上を向く。
真っ青な空が、果てしなく続いていた。
その向こうに、
レーネの姿を見た気がした…。
*…*…*…*…*
アレッシィ世界では、二大国家が24年前まで戦争を行っていた。
『レイーシェル国』
と
『サイネルダ国』
22年前にレイーシェル国の勝利によって、終結した。嫌、名もなき革命軍によって、集結した…と言うべきか。
終戦後の今現在。
そんなサイネルダ国は、経済・国際的に、だんだんと復興している。
国を作っていく元老院の中。豪奢なシャンデリア、高価そうな椅子やテーブル、馬鹿げたブランドの高級ワイン。…政治には、関係無い物ばかり。
そんな議会の奥の会議室。議会にしては、珍しい小さな会議室。洗練された白の質素な会議室に、差し込む朝の光。テーブルを挟み、2人の男が話していた。
「いつも、ありがとう。ジャックがいてくれたから、僕は議会に入れた」
議員であるルーフォスは、目の前にいる親友に頭を下げる。あれから、22年。僕は、37才。もうスッカリ、オッサンだ。
顔にかかる長い銀髪の前髪を払う。最近忙しいから、伸ばしぱっなし。
「いいさ。革命リーダーは、議員になるべきだった。だから、俺は副リーダーとして、やるべき事をしたまでさ」
議員になっても変わらないでいてくれる、黒髪の親友に微笑む。本来なら議員と話す時、敬語を使わないといけない身分の彼。そんな身分になっても、変わらないでいてくれるのは、本当に嬉しい。
「それにしても、ルーフォスは大変だな。一難去って、また一難。国を変えようと、頑張ってる。スゴイなぁ」
誉めてくれる親友の言葉に、首を左右に振る。
「そんな事ないよ。元革命メンバーが、側にいてくれるから。それに、まだ変わったばかりじゃないか。後、身分とかこの部屋とか、かなりダメだから。変えなきゃ。それに、ジャックが居てくれて助かる」
ジャックは目を細め、遠くを見る。小さい時からの照れ隠し。我慢できずに、クスッと笑ってしまう。「コラッ」と、軽く怒られた。嫌、声だけそんなで、顔は笑ってた。
「僕頑張ってみる。旧上層部考えを受け継ぐ、今の上層部を変えてみせる」
親友ジャックに、宣言する。
「お前が、そう言うのならば…」
ジャックは、少し黙ってから。
「俺は、逃げまくってルールを違反している残党を退治してくるさ。なんでも、隣国とTMSGが相当を手を焼いてるみたいだからな。隣国に迷惑かけないように、頑張ってみるさ」
サラリと言うジャック。簡単そうに言うが、それはとても難しい事。
その瞳には強い光を宿している。僕は、この瞳に憧れる。自分には持っていない物持っているからだろうか…。
「あぁ、頼むよ。たぶん僕は、ジャックの役に立てないし、何も出来ない。だから、ここで僕も戦うよ」
両方はそこで、立ち上がる。それで、小さい頃からやっている挨拶事をする。右手と右手の拳をぶつけ合う。
「…亡くったみんなや、レーネの為にも、頑張ろう」
言いずらそう言うジャック。
「うん。レーネの為にも」
そうだ、国の為に戦った彼女にも闘わないと。今生きていたら、また頬を叩かれる。
今何と闘うべきで、何を守るべきか。もう、知っているから。それを教えてくれたから、僕達は進んで、この国を変えなくては。
その次の瞬間。
2人は、自分の使命為に別れた。