4話 混乱
ターは昼食後瞳とモール内を歩きながら考えを巡らせていた。
ター「…(カイトがアンナと浮気…なんてこった…)」
瞳も同じく何かを考えていた。
瞳「…(こいつなんなのよ…さっきから…これじゃあ演技デートだなんてばれるわ…ラブラブ感がなさすぎる…)」
瞳は少し思い返す。
瞳「…(ついグチグチ言い過ぎてた私も悪いわね…あれじゃ友達以下みたい…)」
ター「…(浮気とか…マジでカイト何してんだよ…)」
瞳「ねぇ…ター?」
ター「はいっ!?なんでしょう!?浮気!?してないよ!」
ターは一生に一度…絶対に起こらないようなミス…考えていたことを口に出す…をやってしまった。
瞳「はぁ?浮気?しっかりしてよ…もう…」
瞳「…(どういうこと…?浮気…?)」
その時…。
ター「…(ん…?あ…あれは!)」
そう!サクラが目にはいってしまった。
サクラ「やばっ…ばれたかも…」
カイト「っ…だから慎重にと…」
サクラとカイトは小声で話す、そして作戦会議…。
カイト「…こ…ここは逆に開き直ろう…」
サクラ「どういうこと…?」
カイト「逆に遭遇して…あたかもたまたまだったかのように…」
サクラ「無理だよぉ…だって…ターがここにいること知ってる前提だよぉ?」
カイト「それ以外ない!後が気まずくなりたくないなら…行ってらっしゃい!」
カイトはそっとサクラを物陰から押して
サクラ「わっ!ちょ…ちょ…えっと…」
サクラはターの方に歩いていく。
サクラ「や…やっほー…ター…そ…それと…えっと」
ター「(まじかよっ…)よよよ…よっ…サクラ…」
瞳「…(なんなのかしら…この娘…それに…ターの焦りよう…もしかして…)」
ター→浮気発言→彼女いる→この娘→だから焦っている→私…演技デートとはいえ…遊ばれている?
瞳「っ…(この筋肉バカ…私を弄んでるって事…?バカにするのも大概にしなさいよ…)」
サクラ「え…えっと…何してるの?ふ…二人でっ…」
ター「え?えっと…(まずい…ここで他の人に話していたとばれるとまずい…ここで初めて話すかのように…)と…友達と!遊びに来ててなっ!はは!」
瞳「…(友達発言…明らかにそう…!)」
ゴゴゴ…
ターは殺意に満ちた隣の瞳に気付かずにいて
カイトは物陰から見ると…。
カイト「…(なんか…ヤバくね?)」
サクラ「と…というわけで…わ…私行くねー…あはは…」
サクラはなんとか話をして離れていく
ター「…(ふ…ふぅ…なんとか乗りきったか…)」
ターは瞳の方を振り返ると。
瞳はピンク色の目を光らせ鋭い目付きをしていた。
ター「…(なんか…ヤバくね…?)」
瞳「今の…誰かしら?」
ター「えぇっと…」
???「あれ?ガバナさんとこの?」
瞳はビクッとして聞き覚えのある声の方に振り向く
???「やっぱり!ガバナさんとこの娘さんだ!」
ター「…(つ…次から次へと…な…なんなんだ…)」
豪華な服…なんかモフモフした毛皮っぽい服着てる30代半ばの女性がそこにはいる…。
瞳「…(っ…父親の仕事仲間ねっ…チッ…愛想よくしないと…)」
瞳「あ…あら…こんにちわ…サリーさん…」
サリー「えぇ…こんにちわ!今日は…デートかしら?」
サリーは少しニヤリとしながらターと瞳を見て。
瞳「…(父親の差し金かしらっ…となれば…否定はしない方が…)…え…えぇ…そうなの…ふふっ…こちらターっていうの…」
サリー「あら…でも…なんだか…距離があるわね…」
瞳「…(そんなの普通口に出さないでしょぅ…)…そ…そんなことないわっ…ね?ター?」
ターの腕を抱き寄せてくっつく。
ター「あ…あぁ…本当に…(あ…合わせないと殺されるのは間違いなくとして…次どうするか…)」
瞳「ふふっ…本当にいい人なの…この人…(あー…面倒でしかないわ…こんなの…)」
サリー「あらぁ…お熱いわねぇ…」
ター「…は…はは…」
ターは少し誤魔化すように笑うことしか出来なかった。
サリー「ところで…お名前は?」
ターに標的が変わる
ター「お…俺はターと申します…」
サリー「ター?えっと…どこの息子さんかしら…?」
瞳「タ…ターはそういうのじゃないのっ…ただの人…」
サリー「た…ただの…?えっ…それ大丈夫なの…?ガバナさん許してくれてるの…?」
瞳「え…えぇ…まぁ…やっぱり…私の人生…私の大好きな人と過ごしたいのよ…」
サリー「あらぁ…良かったわね…」
ターに向かって笑顔を向ける。
ター「は…はは!俺だってその…自分の身分がショボかろうと…愛は…まじ…その…大富豪並みなんで…」
サリー「あ…あは…あはは…面白い彼氏さんね…」
瞳「え…えぇ…本当…ふふっ…(っ…また余計な…)」
サリー「じゃ…私行くわね…デート楽しんでっ…」
サリーは少し微笑んでどこかへ行く。
ター「ふ…ふぅ…」
瞳「…」
ター「俺上手くやった?」
グリィィィィィィ!!!
一方スティーブとアンナ
アンナ「ねぇスティーブ…さっきカイトくん会ったよ?」
スティーブ「カイト?あ…あぁー…あいつも来てたんだなぁ…奇遇だなぁ…(…トイレのタイミングか…ま…そこ二人なら接触はオーケー…しかし…本当になぜここで…)」
アンナとスティーブ…一緒に歩きながら…スティーブは前を見ると気付く…。
スティーブ「おっ…(ターだ…遭遇しないように…)」
アンナ「あ!ター!ねぇ!」
スティーブ「…(最悪だ)」
ター「っ…(まじかよもう…)」
瞳「ねぇ…今度は誰なのよ…」
ター「あれは…友達の彼女で…」
瞳「…友達の彼女…?(もしさっきのピンク髪の娘が本当に友達なのなら…現段階でターの友達は二人来ているのよね…二人とも女なのは気になるけどそれよりも…)」
瞳はターを見るスティーブを一瞬見て思う。
瞳「…(あれもターの友達として繋がってるのだとしたら…ターも見張りを寄越している可能性…?でもなぜ?)」
瞳は少し警戒心が増していく。
瞳「…(なんのつもりなのかしら…)」
スティーブ「…よ…よう…ター…」
アンナと一緒に近付いてくるスティーブ…。
アンナ「何してるのぉ?お隣の人誰ぇ?もしかして彼女さんっ!?そうなの!?」
瞳「…(見張りの線は薄いわね…もう…頭が混乱してきたわ…)」
ター「そ…そうなんだ…実はデートに来てて…」
アンナ「目茶苦茶綺麗!可愛い!すごぉい!」
瞳「ぁ…えと…えぇ…?」
ターは瞳を横目に見る。
瞳「あ…ありがと…//」
ター「…(おぉ…照れてる…これだったのか…純粋に褒められるのに弱い…)」
スティーブ「…なぁ…ター…」
スティーブはターの横につき小声でいう
スティーブ「悪い…アンナに来たいって言われて断れなくてな…」
ター「そ…そういうことか…なら…仕方ない…(どういうことなんだ…スティーブも来ている…アンナは浮気では?っ…考えるのをやめたい…)」
瞳「そ…そろそろ行って良いかしら…私…彼と…その…楽しみたいの…」
アンナ「あ!そっか…!ごめんね!ありがとーね!」
スティーブ「邪魔して悪かったな…ほらアンナ」
アンナ「あぅ…なにすてぃーぶぅ…」
スティーブはアンナを連れて足早に行く。
ター「…(すげぇ…動物病院連れていかれる犬みたい)」
瞳「はぁ…なんか疲れたわ…どこかで休みましょ…」
ター「あ…あぁ…」
モール内:カフェ
ター「…(はぁ…まずい…元々はこの演技デートで落とすのは無理としても…良い感じに思わせる予定だったのに…全然ダメだ…)」
目の前の瞳は紅茶を飲んで静かにこちらを見ている。
ター「…(いやぁ…なんかもうキレてるようにしか見えねぇ…)」
一方瞳は考えていた。
瞳「…(なんなのこいつ…変すぎる…)」
ター「…な…なぁ…瞳…」
瞳「…なにかしら…?」
静かな眼差しがターを緊張させる。
ター「…今日は色々迷惑かけた…本当にごめん…」
瞳「…」
瞳はカフェの周りを確認して
瞳「…(監視はいない…わね…)…それは…彼氏としての謝罪かしら?それとも…ターとしての謝罪?」
ター「俺としての…なんというか…予想外で…友達が今日だけでも…四人もここに…」
瞳「まぁ…よくあることよ…このショッピングモールは有名な場所なのだし…」
ター「…それで…その…お詫びの品を一つ…」
瞳「お詫び…?」
ター「…(この時の為に小物用品店で買っておいた奥義!)」
バン!「ウサギのぬいぐるみキーホルダー」!
ター「君に似合うと思って…」
瞳「ぁ…ぁ…」
瞳は声がでなかった…というのも今まさにターの変人度合いを確定するポイントが90から100になったのだ。
瞳「…(う…うさぎの…?もう…本当にわからない…)」
ター「ど…どうかなっ…なんか!ピンク色のウサギで瞳の目にマッチしてるっていうか…その…なんていうか…」
瞳「…」
瞳は静かに人形を持ち見つめる
瞳は思い返せばこのタイプのプレゼントを貰うのは初めてだった…そのウサギは特に…何かを感じた。
瞳「ありがと…」
ター「ど…どういたしまして…」
プルルルル…プルルルル…
瞳のスマホが鳴る
瞳「ごめんなさい…少し…」
瞳はスマホを耳に当て電話に出る。
ガバナ「瞳…そろそろ時間だ…5F駐車場にこい」
瞳「ええ…分かったわ…」
プツ…電話を切る。
瞳「私そろそろ行くわ…」
ター「えっ…終わりっ?」
瞳「だって父親に呼びだされたもの…それじゃ…」
瞳はそそくさと行ってしまう…。
ター「…」
ター「…(終わった…確実に終わった…今日何かまじで脈ありにするチャンスを失った…ただのヤバいやつ…とだけ思われた…)」
ターは俯きコーヒーを見つめる。
ター「…苦い思い出…なんつって…」
~次の日~
学校~
カイト「ま…まぁ…元気出せって…ほら…」
カイトが缶コーヒーを目の前に置いてくれる。
よりによって最悪の思い出がぶり返される飲み物。
ター「ありがと…」
そういいつつ横にそっと退ける。
スティーブ「あちゃぁ…だいぶダメージがでかいみたいだな…」
サクラ「元気出してよー…失恋くらい…ターなら乗り越えられるでしょ?」
ター「今回の跳び箱はかなり高い…無理…」
カイト「ったく…おい…ター…」
カイトは目の前に膝をつき
カイト「お前は跳び箱を乗り越えるタイプじゃなくて…ぶち壊すタイプだろ…?今回の出来事はなんてことない…ただ…もう一回…新しいのを探してみよう?こんどは失敗をいかして…な?」
サクラ「そうそう!カイトのいう通り~!私達がロイター板に…」
スティーブ「それわからないと思うぞ…」
サクラ「あーそっか…えっと…バネになるから!」
カイト「乗り越えじゃなくて壊すつったろ」
ターはそっと俯いてた顔を上げる
ター「お前ら…」
サクラ「…」
サクラは笑顔を向ける…。
ター「もとはといえばお前らのせいじゃー!!!!…」
サクラ「きゃー!」
ターはサクラを追いかける。
その時…。
???「ねぇ…」
ター「お…」
聞き覚えのある声に振り向く。
瞳「…」
ター「ひ…瞳…」
カイトもスティーブもサクラも静かに見守る。
瞳「次は…いつデートするのかしら?」
ター「えっ?」
瞳「"いつ"…デートするの?」
ター「…め…メールする…」
瞳「そう…楽しみにしてるわ…それじゃ…」
瞳は歩いていく…。
肩にかけてる鞄に…ウサギの人形をぶら下げながら。
続く。