流転の國 エルフの里⑲
その日の夜になって、マヤリィは玉座の間に姿を現した。
「遅くなって悪かったわね。ヒカル殿の書状を持って来たわ」
「マヤリィ様…!」
玉座の間に残っていたルーリとシャドーレが跪く。
「明日の日程に関しては、先ほど念話で伝えた通りよ。…シャドーレ、貴女は流転の國の使者として桜色の都を訪問し『エルフの民移住計画』について説明して頂戴。もっとも、既に話は通してあるから、明日は移住の日程とか、細かい部分の打ち合わせが中心になるわね」
マヤリィはそう言うと、桜色の都の国王ヒカルが使い魔に託した書状を見せる。
「では、桜色の都への移住が確定となったのでございますね…!」
「ええ。貴女が良い案を出してくれたお陰で、安心してエルフの民を送り出すことが出来るわ。…明日も任せたわよ」
「はっ!此度は私に使者という重要な役割を与えて下さり、心より感謝致します。貴女様のご期待にお応え出来ますよう、全身全霊をもって任務を果たして参りますわ…!」
シャドーレは嬉しそうにそう言うと、深く頭を下げた。
保護されたエルフ達が桜色の都の国民として受け入れられる日がすぐそこまで迫っていた。
昼間のうちに移住希望者名簿は纏められ、エルフの民移住計画書は完成しました。
既に桜色の都の国王の許可も得ており、後は細かい打ち合わせをするのみです。
そんな大役を任されたのは、桜色の都出身の黒魔術師シャドーレ。
今回、彼女は初めて流転の國の使者として、都を訪れることになります。




