思い付き短編
掲載日:2024/10/07
“告白”
麗らかな日差し。
教室は静寂。
遠くで野球部の声がして、
吹奏楽か軽音かがチューニングの間抜けな音を響かせる。
「告白できない。」
向かい合わせに座る二人。
教室にはこの二人しかいない。
「スマホを持ってて、SNS最盛期のこの世の中!
告白ができない!」
「うるせぇ。」
うんざりした声。
「それなのに、なのに、なのに!
あっちこっちで、イチャイチャ、イチャイチャ、
イチャイチャしよって!
羨ましいわ!」
がなる。
耳が痛くなるほどの声量だ。
「告白したからだろ。」
「どーやって?!」
「面と向かって?」
「ヴァーカ!
そんなことしてみろ、断られた挙げ句、
SNSでキモイとかウザイとか晒されるわ!
しかも、何年も保存されて、
同窓会でまた晒されるんだ!」
「その考えがキモいわ。」
言わんとすることは分からなくないが、
行動も起こさず決めつけるのは如何なものか。
「ラブレター?」
「黒歴史の現物じゃんか?!
それこそ晒されるためのものだよ!」
「ウダウダ言うだけより、キモくない。」
「言葉の切れ味良すぎだからね。
言葉で人は死ねるからね。」
必死。
「そもそも、誰に告んの?」
「おまえ。」
凍結。
「は?」
耳を疑う。
「生徒になに言ってんの?
変態女教師が。」




