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少年は磨かれるか
燃え盛る炎が少年の頬を焦がす。その炎の元凶で獅子の尾が蛇となった様な化物は悠然と少年を眺めている。覚悟を決めた少年は走り出す。化物から逃れるべく脇目もふらず一直線に逃げるその背中を化物はつまらなさそうに見送った。
『僕は何をしているのかな~?』
逃げ帰った矢先でお世話になっている冒険者ギルド管理の宿の自分用に割り振られている部屋の中で少年は先ほどの反省をしていた。
『何故か逃がしてくれたから良かったけど本来僕が勝てる訳がない様な化物だったな。こんなこと続けてたら命がいくつあっても足りないよ・・・』
暫く悩んでいる間に時が過ぎて何もいい案も浮かばないまま少年のお腹が空腹を訴えてきた。
『とりあえず、明日ギルドに行って相談してみよう。』
それだけ決めた後、自分のお腹の虫を黙らせる様に水を流しこみボロボロで少し臭い寝台に横になった。