狭山茶カフェのクィア(2023.5.30)
居場所が無いからいつもの狭山茶カフェに来た。
毎日通っているから店員さんともすっかり顔馴染みで、僕が沢山注文しようとすると「無理しないでいいのよ」と言ってくれる。その気づかいがありがたくて、たまに甘えてお水をもらったりする。
この店は地元のクィアがよく集まるところで、今日も奥の席でレズビアンのカップルがお茶をしていた。四つあるテーブル席は僕が座ると満席になった。客の半分は一人客で、テーブル席には先ほどのレズビアンカップル、ノンバイナリーの一人客、お年寄りのグループ、そしてもう一人のノンバイナリー、僕が座っている。二人掛けのカウンター席にはトランス女性が一人で座っていた。この店に来るクィアは皆、うっすら知り合いだった。
知り合い、といっても、積極的に話しかけたりはしない。けれども今日は、カウンター席のトランス女性と話が弾んだ。今日の彼女はSNS上のトランス差別に疲れたからここに来たと言った。僕も、SNS上のトランス差別には嫌気が差していたから、二人で傷を慰めあった。そうしているうちに一緒にごはんを食べに行こうという話になり、会計は先に済ませていたので、一緒に席を立った。
このお店は大事な居場所だ。
失いたくないな、と僕は思った。