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ブロック3~貸したtrue kissを賭けて見ててほしい

「D.J.コウの! クリスマス・ナイトショウ! 提供は、もちろん食事でも心を温かく。ファミリーレストラン、フェアリードレスで引き続きお送りしていますけども。いやあ、先ほどのウエイトレスさんはちょっとショックでした……今、本気で甘い時間を過ごしているようです。羨ましい……と、個人的なつぶやきはここまでにして、まだまだクリスマスのエピソード、聞いてしまいたいと思います。こんばんは」

 

「こんばんは」

 

「ちょっと気の強そうな女性です。嫌いじゃないですよ。おいくつですか」

 

「17歳、高校2年です」

 

「さあ、何かエピソードを教えてくれますか」

 

「怖いんです」

 

「え、何がですか」

 

「今、男子を連れてきてるんですけど」

 

「ええ」

 

「それ、私が賭けに勝って、その内容がクリスマスを一緒に過ごすってことだったんです」

 

「ほうほう、それで?」

 

「今までその人と過ごした時間は全部、私が賭けに勝っているからで、もしそういう賭けを抜きで誘ったらどうなるのかって、考えたら、怖く……て……」

 

「うーん、かなり思いつめてますね。よしわかりました。私と賭けをしましょう」

 

「え?」

 

「あなたへの気持ちを彼に確認しましょう。好きだったらあなたの勝ち。それ以外だったら私の勝ちです。では始めましょう」

 

「え、勝った時の内容は……」

 

「さあ彼、聞いてましたね?」

 

「は、はい」

 

「彼女のこと、どう思ってますか」

 

「その、いつも引きずり回されて迷惑だって思うこともあるし、いちいち賭けをするなんて言ってくるし、嫌になることもあるけど、なんか一緒にいると落ち着くこともあって振り回されているのもいいかななんて思うこともあって……」

 

「回りくどいですね。どっちかはっきり答えませんか。というか答えましょう」

 

「好き、です」

 

「あ……」

 

「よしおめでとう! さすが、普段から勝っているだけはありますね。さあ賭けに勝った彼女はさっさと腕組んで夜の街に消えてしまえー! なんか私のキャラが一気に変わってしまったような気がしますが……彼の気持ちを聞くアシストをプレゼントさせていただきました。いやあ、なんか今日はキューピット役ばかりしていますね。損な役回りです。次まいりましょう。こんばんは」

 

「こ、こんばんは……」

 

「あら、さっきの彼女とは正反対な、ちょっとはかなげな感じの女の子ですね。お名前と年齢は?」

 

「恥ずかしいので名前は……えっと、高校1年生です」

 

「こういうのが萌えってやつですかね。もじもじしている姿がなんともかわいらしいです。何かお話ありますか」

 

「その、わたし……気になる人がいて、たくさんなんとかしようと頑張ったんですけど、なかなか行動できなくて困ってるんです」

 

「たとえば何をしたんですか」

 

「おでことおでこをこつんとしたりとか、うう、なんか思い出すと恥ずかしいです……」

 

「いやあ、あまりにも純情すぎてかわいいとか超越してますね。こんな子、今でもいるんですね。現実とは思えないです。この子におでここつんとか、意識しない男がいるんでしょうか。たぶんですけどね、相手も戸惑ってるだけだと思いますよ。そうだな……リボンの髪留めとか、プレゼントしましょうかね。きっとお似合いですよ、とことん積極的にアピールしてみてください」

 

「えへへ……プレゼントありがとうございます。頑張りますっ」

 

「笑顔がなんとも言えない……な、なんか彼女に小悪魔的なものを感じますが……いやいや、ぐらっと来ている場合じゃありません。次の方、お願いしましょう。こんばんは」

 

「こんばんは! ミドリです、17歳、高校2年です!」

 

「流れを理解していただけているようで助かります。ミドリさんですね、さあ何かエピソードありますか」

 

「わたしの友人のことなんですけど」

 

「おっと、はじめてですね。自分のことじゃなく友人のこととは」

 

「好きな人に全然アタックしていかないんですよ? わたしがサポートしないとダメで。一度わたしが彼のことを好きだって言ったら、動揺しているくせに平気な顔しようとして。まあ、それはわたしに協力してもらうように仕向けて、最後にその子に意識を向けるようにしてたんですけど。あ、ちなみにこの子なんです」

 

「あ、カオリです。もう、ミドリったら何を言い出すのよ……自分のこと話すって言ってたのに」

 

「カオリのことだってわたしにとっては自分のことだよ?」

 

「まさしく親友といった感じのお二人ですね。どうしましょうか、プレゼント。ミドリさん何か言いたげですが」

 

「せっかくだから、この場を借りてカオリに今の気持ちを打ち明けてもらうのはどうですか?」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

「グッドアイデアですね! 私もそれで構いませんよ。時間はまだあります。カオリさんに思いのたけをぶつけていただきましょう」

 

「ほら、カオリ。もう逃げられないよ?」

 

「うう、ミドリ……あとで覚えてなさいよ?」

 

「はいはい。じゃあ、さっそく始めてもいいですか?」

 

「OK! はい、みんなちょっとだけ静かにしてもらっていいかな! 女子高生のナマ告白ですよ~どうぞ!」

 

「あ、あの……わたしは、ミドリには勝てないところいっぱいあるけど、それでもって言うなら、その……付き合ってもいいから。だから、もし聞いてたら連絡ください」

 

「あはは、なんでそこでわたしが出てきちゃうかな……。だって、よかったね」

 

「えっ?」

 

「おおっと……ミドリさん、その彼は? まさか?」

 

「な、なんで連れてきてるのよーーーー!」

 

「どうやらミドリさんのサプライズにクリスマス・ナイトショウが体よく使われたようですね、ははは。さて、あとのことは彼女に任せて続けていきましょう。次の方です。こんばんは」

 

「かなです。13歳です」

 

「こんばんは。何か困っているようですがどうかしましたか」

 

「好きな子が、全然キスしてくれようとしないんです」

 

「またこれは……13歳にして大胆発言ですね。私が遅れているだけなんでしょうか」

 

「絶対ケンイチくんに取られてます……6歳の頃から、ずっとわたしは見てたのに」

 

「……はい? あの、状況が理解できませんね……。あなたは女性で、でもかなちゃんのライバルは男性で?」

 

「ううっ……」

 

「さ、さっきから中学生を困らせてばかりですね、私。しかし今回はさすがによく分からないと言うか……とにかく! もっと積極的にいけばいいんじゃないですかね? さきほどまでの方たちもそうやって成功してきましたし」

 

「は、はい! わかりました!」

 

「な、なんとなくこう言ってはいけなかったような気がします……なんででしょう。あ、そうだプレゼント。ああ、相手へプレゼントするものとか差し上げましょうかね。制服のネクタイとか。彼女がピンと来ていないのが気になりますが……えっと、なんか奥歯に物が挟まったようなタイミングではありますが、CM入れさせてください」

クリスマス・ナイトショウ、ブロック3は、

1組目 賭けをしよう(N9396G)

2組目 貸してあげる(N9663G)

3組目 見ててほしい(N9924G)

4組目 true kiss(N6911I)

でお送りしました。

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