ボーマンとトリスタン②
◯ボーマン
「おい兄ちゃん、いい加減に仲間を探しに行ったらどうだ?」
ボーマンは料理店の前で待っていた。
トリスタンを。
「兄ちゃんには、店内の配置変えてもらって感謝してるけどよ、そんな怖い顔で店の前にいられたら、スリのガキすらこの店に入ってこれねえよ」
「ああ、悪いなおじさん。でもあいつは絶対来るんだよ」
「あいつ?」
ボーマンはふうっと息を吐いた。
「まあ、でもここにいたら確かに商売の邪魔だな。中で待たせてもらうわ」
ボーマンが立ち上がり、店の中に入ろうとしたその時、待て!という声が聞こえた。
後ろを振り向くとそこには、トリスタンが立っていた。
「お前、いつの間に」
「気が変わった」
「え?」
「あんたの言う通り気が変わったんだ」
ボーマンはにやっと笑った。
「俺の言った通りだっただろう?」
トリスタンは何も答えない。
「まあいい。早く俺をあいつらの所に連れて行け」
トリスタンはボーマンに背を向けて歩き出した。
「おじさん!俺達の荷物取ってくれ!」
「あ、ああ!ほれ!」
ボーマンは荷物を受け取ると、トリスタンの後を追って走った。
◯トリスタン
「なるほどな。お前らはこうやって下水道の中にアジトを作って街中を移動していたんだな」
トリスタンは何も答えない。
「で、アジトに俺達を誘い込んで国王軍に引き渡すって作戦だった訳か」
トリスタンはまだ何も答えない。
「お前さ、それって仲間を危険に晒していないか?」
ボーマンの前を歩いていたトリスタンが急に立ち止まったので、ボーマンはトリスタンにぶつかりそうになった。
「お前が言うな」
トリスタンがそうつぶやいた。
「俺でも言えるよ。お前、仲間を」
トリスタンがボーマンの胸座を掴んだ。
「黙れ!国王軍が偉そうに何を言う!?」
「元国王軍な」
「うるさい!」
「図星だから怒っているんだろう?」
トリスタンは思い出していた。
国王軍にぼろぼろにされた仲間達の姿を。
ボーマンの胸座から手を離した。
「俺は、ただ父さんと母さんに会いたいだけなのに。なんで会えない?なんでこうなるんだ?」
どうしてあいつらは俺達をこんな目に合わせるんだ?




