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元国王軍からの忠告
◯ボーマン
「国王軍?お前が?」
「元だけど」
「そんな情報聞いていない」
そう言うと、しまったという顔をしてトリスタンはまた手で口を塞いだ。
「情報?」
トリスタンはボーマンをじっと見つめたかと思うと急に背を向け走り始めた。
「あ、おい待ちやがれ!」
ボーマンはトリスタンの後を追った。
「付いてくるな!」
「お前らのアジトに連れて行け!」
路地裏を曲がったところでボーマンの足が止まった。
そこは壁しかなく行き止まりになっており、トリスタンの姿はなかった。
ボーマンは肩で息をしながら叫んだ。
「おい!よく聞け!国王軍は絶対にお前らの得になるような働きはしない。むしろ利用するだけ利用してすぐに見捨てる奴らだ。まだ俺はこの街にいる!お前らがスリばっかり働くあの店にな!気が変わればそこに来い!いいな!」
ボーマンは壁に背を向けて一歩踏み出したところで足を止めてつぶやいた。
「お前は必ず気が変わるよ」
彼の足元には小さなマンホールがあった。




