子供達のアジト
◯アロア
「あれ?リーダーいないみたいだ」
少年がそう呟いた。
アロアとアーサーの長かった下水道の旅が終わり、彼らのアジトに辿り着いた。
「何だ?誰もいないの?」
アロアが少年の後ろから部屋を覗き込んだ。
丸い机?
部屋の真ん中に置かれた大きな丸い机そしてそれを囲むたくさんの椅子。
「円卓・・・」
アロアの横でアーサーがそうつぶやいた。
「そうだよ。この机さ、リーダーの発想なんだ。まあ、中入りなよ」
3人は部屋の中に入った。
大きな丸い机ひとつとたくさんの椅子しかないその部屋はなんだかとても殺風景だった。
「こうして円卓を囲みながら座れば誰が一番偉いとか関係なくなるだろ?年も力の強さも頭の良さも全部さ。みんな平等に意見を言い合おうってリーダーが決めたんだぜ。ま、好きな椅子座りなよ」
椅子はどれも形、大きさがばらばらだった。
アーサーはもちろん一番大きな椅子に座り、アロアは側にあった小さな椅子に座った。
少年は2人が座ったのを見ると部屋の鍵を掛けた。
「そのうちリーダーも戻ってくるだろうしゆっくりしていきなよ」
そう言って少年はアロアとアーサーに笑い掛けた。
アロアはそこで初めて少年の顔をしっかりと見た。
「ねえ、そういえばあなたの名前聞いてなかったわね?」
アロアの青い瞳が少年をじっと見つめた。
「あれ?俺、名乗ってなかったっけ?俺の名前はイズーだよ。よろしく。兄さん、姉さん」
少年がまたにこっと笑い掛けた。




