ボーマンの留守番②
◯アロア
子供たちをまとめるリーダーとはどんな子なのだろうアロアは少しわくわくしながら、先を歩く少年の後に続いた。横にいたアーサーの顔は暗闇で見えにくかったが、イラついているようだった。
「まあ、アーサー落ち着いてよ。この子たちのリーダーに会って話を聞いてもらえたら財布もすぐ返してくれるって」
「私は被害者であるのになぜそこまでしないといけない?盗んだ者が悪いにきまっているだろう?」
「まあそれは確かにそうなんだけど、だからってここで返せと叫んでも財布は返ってこないんだから、仕方ないわよ」
アーサーの舌打ちが暗闇に響いた。
◯ボーマン
「よいしょっと」
ボーマンは、軽々と机を持ち上げた。
「いやあ、本当にありがとね。兄ちゃん」
「これぐらいいって」
ボーマンはお店の机の配置を変えていた。
子供たちのスリがここで多発していることを聞いて何か自分にできないかと考えた結果がこれだった。
「これでどうだ?厨房から結構見えるようになったんじゃねえか?」
「かなりましになったよ。あ、そこの机、こっちの奥に持ってきてくれるか?それがなくなれば入口がよく見える」
「了解」
ボーマンは入口の側にあった机を持ち上げようとしたその時、足元で何か光った。
「ん?なんだこれ」
ボーマンがかがんで光を放っている物に触ろうと手を伸ばした。
しかし、ボーマンが触れたのは、小さな手だった。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
ボーマンは確かに床に落ちた物に触ろうとした。しかし、今彼の手の下にあるのは手だった。
「えっと・・・」
ボーマンはそのまま横に視線を移すと、机の下に隠れた黒髪の少年がボーマンの
手の下に手を伸ばしていた。
「うわあ!」
ボーマンと少年が同時に驚きの声を上げてお互いに手を離した。
「お、お、お前さっきのガキ・・・」
少年は、はっと我に返り床に落ちていた物を拾い上げ颯爽と店から抜け出した。




