地下道の少年②
アーサーはふと思った。
私は年齢をアロアに言った覚えがない。
「ここには子供たちだけで暮らしているの?そのリーダーって人と一緒に?」
「そうだよ。リーダーは街中にいる俺みたいな親のいない子供を見つけて、ここでみんなで暮らそうって声掛けしてるんだ」
「じゃあ、ここには、たくさんの子供達が一緒に住んでるってこと?」
「街中の親無しの子供がここにいる。たまに、うわさを聞いて、ここまで自力でくる子供もいたからさ、お前らもそうなんだと思って後ろから声を掛けようとしたら、蹴られたんだよ」
そう言って少年は顔の傷をさすった。
「ごめんなさいね。後ろから襲われるかと思って」
「物騒な姉さんだなあ」
少年が視線をアーサーに移したかと思うと、じっとアーサーを見つめた。
アーサーは少年を睨んだ。
「なんだ?」
「俺、初めて見たんだ。金色の目!兄さん、すんごい目の色してんだな」
「こんな目の色した人間などどこにでもいるだろう?」
「そんなことないわよ?」
アーサーは思い出した。
あなた、この辺の人間ではないわね。
アロアと初めて会った時そう言われたことを。
「目の色などどうでもいい。私は一刻もはやく財布を取り戻したいのだ。奴はどこにいる?」
「どこにいるって言われても誰が盗んだのかわからねえよ。兄さん、その子供ってどんな特徴があった?」
さっきから兄さん兄さんと言われて、アーサーは若干イライラしていたが、それどこではないとさすがに思い、イライラを押し込めた。
「背は、貴様より高く、髪の色は黒だった」
少年は、はっとした顔をした。
「兄さん、面倒くさい奴に財布盗まれたんだな」




