地下道の少年
◯アーサー
「貴様!」
アーサーが少年に飛び掛かろうとしたが、アロアに止められた。
「待って、アーサー」
アーサーはアロアを睨んだが、アロアは気にしていない様だった。
「ねえ、この人の財布盗んだでしょ?返してくれない?」
「財布?俺、そんなもん盗んでないよ」
「貴様、嘘をつくな!」
アーサーはアロアの制止する腕を振り払おうとしたが、振り払えるはずがなかった。
「本当に?あなたじゃないの?」
「本当だって!」
「そうらしいわよ?アーサー、別の子供じゃないの?」
アーサーはイライラしながら、明かりに照らされ少年の顔を見つめた。
確かに、財布を盗んだ子供はもう少し大きかった気がする。
アーサーはぼそっとつぶやいた。
「こいつじゃない」
「そう?」
アロアはアーサーから制止していた腕を離した。
「人違いだったみたい。蹴ってごめんね」
少年は、にっと笑った。
「まあいいってことよ。財布盗んだことないっていったら嘘にはなるし。あ、でも今日は俺盗んでないよ?しっかし、俺達と同じ子供から財布を盗むなんて誰がやったんだろうな」
アーサーはむっとした。
「私たちが、子供だと!?」
アロアは吹き出した。少年はきょとんとした顔をした。
「え?大人なの?俺達のリーダーと同じくらいに見えるけど?」
「貴様らと一緒にするな!」
「アーサー、落ち着いて。それこそ大人気ないわよ。ねえ、あなた達のリーダーっていくつなの?」
「15」
「本当に同い年ね。私も15よ。アーサーも15でしょ?」




