アーサーにはわからない②
「だから、お前は何も思わなかったのか?死んだ友達の金をこんなくだらない食事に使うってこと」
「思わなかった」
ボーマンはアーサーの即答に言葉が出なかった。
アロアが笑い出した。
「本当仲良いわね?」
「どこが!?」
ボーマンとアーサーが同時に声を上げた。
「アーサー、ボーマンの言っていることきっとそのうちわかる。だからその時までそのお金は使わないほうがいいわ」
「だと鼻男。少し黙っていろ」
アーサーは食事を再開した。
「アロア、ちょっといいか?」
ボーマンはアロアを外に連れ出した。
冷たい空気がボーマンの頬を突き刺した。
料理店の外は、まだ昼間だったため、通りにはたくさんの人々が行き来していた。
「お前、王子に甘すぎるぞ」
「そう?」
「あのまま、放っておいたらあいつはどんどん付け上がるだけだ。あの性格の悪さで王になれるわけねえ」
「アーサーはたぶん本当はすごく優しい人なのよ」
ボーマンが目を瞬いた。
「な、何言ってんだ?どう見たって、王子には優しさのかけらもないだろ」
「まあ、見た目はそうなるんだけど」
「だろ?100人が見ても100人ともそう思うに決まってる」
「でも、違うのよ。ボーマン」
「その自信はどっからくるんだよ」
「それは」
「貴様ら!そいつを捕まえろ!」
アーサーの声がしたと同時に店の中から小さな少年が飛び出してきた。
少年は、アロアとボーマンの横を風の様に通り過ぎて行った。
二人はぽかんとその後ろ姿を見ていた。
「貴様ら何をやっている!?捕まえろと言ったろ!?」
「アーサー、一体何があったの?」
「財布を盗まれた。私はあいつを追う」
そう言ってアーサーが少年の後を追った。
「アーサー待って!私も行く!ボーマン、ごめん。剣・・・荷物お願い!」
そう言ってアーサーを追ってアロアも駆け出した。
「おい!俺、金持ってねえって!」




