アーサーにはわからない
◯ボーマン
それにしてもこんな事態になったのによく食べる王子だ。)
目の前に置かれていた色取り取りの食事が次々と、アーサーの口に放り込まれていった。
それをボーマンは呆れて見ていたが、横に座っていたアロアは、微笑んでいた。
アロアは、どうして王子にここまで寛大でいられるのだろう。
三人は、森を抜け、隣街まで行き着いた。
街に着いた途端、アーサーが腹が減ったと言い出したので、料理店に入り今に至る。
「でも、アーサー。あなたお金あるの?私、そんなに持っていないわよ?」
「ああ。金ならここに十分ある」
そう言ってアーサーは懐から財布を出し、机の上に置いた。
ボーマンは怪訝そうな顔をした。
「でも、それって王子の金イコールウーサー王の金ってことにならないか?敵の金で飯を食うなんて変な話だ」
ボーマンはそう文句を言った。
アーサーは持っていたナイフとフォークを置いた。
「この金は、父の・・・王の金などではない。死んだ友のガウェインがくれた金だ」
そうか・・・って死んだ友達がくれた金ならもっとましなことに使えよ!
「死んだ友達が残してくれたお金なら、もっとましなことに使いなよ」
ボーマンの本音がアロアの口から出ていた。
アロアは、王子のわがままに優しいがちゃんとそういうことは言うんだな。
「ここは私が払うわ。だからあんまり食べ過ぎないでよ」
ボーマンは思わずこけそうになった。
やっぱり甘い。王子はつけあがるだけだ。
「では、貴様が払え」
アーサーは、再びナイフとフォークを取り、食べ始めた。
ボーマンは、はあっとため息をついた。
「ちょっと待てよ王子。おかしいと思わねえのか?その金は、お前の友達が稼いだ金で、それをこんなことに使おうとして、で、アロアが払うって言ってくれたからってあっさり頼むって・・・お前、少しは遠慮ってものがないのか?」
「遠慮?なんだそれは?」
ボーマンはまたため息をついた。




