仕組まれた?
「そう。なんだか、こうなる運命だったのかな?て思っただけ。特に意味はないわ」
もちろん嘘。
本当は、なんとなくわかっていた。全部仕組まれたことだって。
私がこの街でネロにそっくりな男の子に出会うこと。その男の子を教会から逃がすためにあの地下通路があったこと。
まるで未来を預言していたみたいに、全て準備されていたような・・・。
アーサーの金色の瞳がじっとアロアを見つめた。
アロアはアーサーに微笑み返す。
「全く、軽はずみな発言などするな!くだらん時間をとった。とにかく、この場を早く立ち去るぞ」
そう言って、アーサーはずかずかと丘の奥に続く森へと入っていった。
アロアは小さく息を吐いて、アーサーの後を追おうと立ち上がった。
「なあ」
アロアが声のする方を振り向くと、ボーマンが真剣な顔でアロアを見ていた。
「何?」
「お前、本当は地下通路のこと運命とかそんなあやふやな気持ちで言ったことじゃないだろう?」
アロアは何も言わない。
「本当はなにかわかっているんじゃないか?俺は、全て出来すぎだと思う。王子がこの街でお前のような人間に出会ったこと、あの地下通路、すべて元から仕組まれていたような気がするんだ」
アロアは微笑んだ。
「もういいじゃない。今はそんなこと気にしたって何の得にもならないんだから」
「だが」
「早く行こう。このままじゃアーサー遭難しちゃうわ」
「偶然じゃないこともある」
「え?」
「お前、俺を教会まで連れてきたのは、人質に使うためではないだろう?わかっていたんだな?剣の秘密を知った俺をあそこに置いてきたら、俺が殺されること」
「それは・・・」
「おい!貴様ら!何をしている!?」
遠くからアーサーの声が聞こえた。
「全く。王子一人で勝手に行ったくせにえらそうな」
「ただの気まぐれよ」
ボーマンは、アロアを見つめた。
「あの時、ここに残してアーサーの剣のこと話したらきっと殺されるだろうってわかった。国王軍は私の親友に暴力を振るっていた最低な奴らだから死んでもいいて思ったのに、なぜだろう、とりあえず助けようってそんな気になっただけ」
私は一生国王軍を許さない。
だけど、見殺しにするほど落ちぶれてはいない。
そうなってしまったら国王軍と同じだから。
「そんな気まぐれで助けたような連中だけど、一緒に行く覚悟はできた?」
ボーマンの青い瞳がまっすぐアロアを見つめた。
「俺はとにかく生き抜いてやる。それだけだ」
「おい!早く来い!」
アーサーの声がまた遠くから聞こえた。




