ランスロットからの逃走②
◯ランスロット
ランスロットは、国王軍を引き連れ、教会の横にある小さな家の前にいた。
アーサーがこの中にいる。
この裏切り者が。
最後に会った時、アーサーは俺にそう言った。それは、感情的でもなんでもなくただ静かにつぶやく様だった。
「ランスロット団長!」
背筋の良い男がランスロットの前に駆け寄る。
「ドアを何度ノックしても出てきません。中にはいるようなのですが」
「強行突破だな」
「了解しました」
男は大きく息を吸い、叫んだ。
「整列!」
おお!と言う掛け声とともに国王軍の男達が小さな家の前に整列をした。
「構え!」
整列した男たちは持っていた銃を構える。
背筋の良い男が息を吸い、次の言葉を吐こうとした瞬間、ドアが開いた。
銃口が一斉にドアの向こう側に向けられる。
そこには、シスター服の少女が立っていた。
「あの・・・何か御用ですか?」
こいつが、国王軍を倒したシスターか?
ランスロットは信じられなかった。
いくら田舎の国王軍といえど、日々厳しい訓練は受けている。そう簡単にはやられない。
背筋の良い男が少女に近づく。
「ここに城から剣を盗んだ盗人をかくまっているとの情報が入ったのだ。家の中を調べさせてもらおうか」
「盗人?いくら教会で働く私でも盗人など匿うほど慈悲深くありません」
「国王軍にも全く慈悲などかけないようだな」
ランスロットが少女に言い放つ。少女はランスロットに微笑んだ。
「ええ。国王軍は大嫌いですから」
背筋の良い男がふんと鼻で笑った。
「いいから、家を見せろ」
男が、家に足を踏み入れようとした瞬間、男の体が吹っ飛んだ。
整列していた国王軍もランスロットも一瞬何が起こったのかわからなかった。
ランスロットは少女を見つめ、目が合ったと思ったその時少女は扉の前から消えていた。




