ランスロットからの逃走
◯アロア
「貴様、何を勝手なことを言っている?」
アーサーがアロアに吠えた。
「そ、そうだ。こんなひ弱な王子が・・・いくら真の王であろうが、王になれるわけがない」
「鼻男は黙ってろ!」
アーサーがまた吠えた。
「は、鼻男って・・・。誰が俺の鼻をこんなんにしたと思ってんだ!」
言い争いをする二人をアロアは笑みを浮かべながら見つめていた。
「なんだ。初対面なのにすぐ仲良くなれたじゃない?これなら大丈夫そうね」
鼻男とひ弱な王子がアロアを睨みつける。
「何が仲良しだ!それに私は王になる気など」
その時、ドアが強く叩かれる音が響いた。
3人は、一斉にドアを見つめた。
「追っ手が来たようね」
「どうするんだ?俺は・・・まだ死にたくない」
男は腰が抜けたようで、ソファーに座り込んだ。
アーサーは剣を握り締めドアに向かおうとした。
「アーサー」
アーサーは呼び止めたアロアを睨む。
「あなたは、逃げて」
「逃げる?出口はここしかないんだぞ?」
「教会に街の広場まで続いている地下通路があるの。それを使えばいいわ」
「地下通路!?」
アーサーと男は同時に驚きの声を上げた。
「どうして教会に地下通路が?」
「今わかった。きっとこの日のために作られたのよ」
アーサーの金色の瞳がじっとアロアを見つめた。
「貴様、それは」
「いいから、急いで教会に。早くしないと奴ら強行突破してくるわ」




