国王軍の男②
「馬鹿め。王子だろうが王だろうがお前はその剣で人を斬れないのだろう。俺の方が優位ってことだ」
アーサーはそれでも剣を下ろさない。
「アーサー、剣を下ろして」
アーサーは驚いてアロアを見る。
「貴様、こいつの言いなりになるのか?」
「そうじゃなくて。ここで私たちが戦っても何の意味もないってこと。ずっと私たちの話聞いていたんでしょ?」
アロアは男を見る。男は何も言葉を発さない。
「さっきも言ったように王はアーサーの秘密を知った人間を生かそうとしないはずよ。よっぽど使い道がある人間じゃないと生かさないみたいだしね?」
銃を持つ男の手が少し震えたのをアロアは見逃さなかった。
「本当はもうわかりきっているのでしょう?このまま私たちを殺すか、生かして国王軍に引き渡すとしても、秘密を知っているあなたは殺されるって」
言葉を発しようとした男を遮るようにアロアは言葉を続ける。
「私たちを殺して逃げたとしても無駄よ。王は絶対にあなたを見つけ出す。たとえ地の果てに逃げたとしても」
「嘘だ」
「嘘じゃない」
「王の秘密など知らない振りをすればいい」
「私たちと一緒にいたのだから知っていても知らなくてもきっと殺されるわよ」
男を支えていた何かが消えていくのがアロアには分かった。
男は銃を持った手をぶらんとぶら下げて力なくソファーに座り込んだ。
「じゃあ・・・俺はどうすればいい。死ぬしかないのか」
男は手に持っている銃を見つめた。
「簡単よ。アーサーを王にすればいい」
アーサーと男は驚いてアロアを見つめた。
「貴様、何を言い出す?」
「アーサーが王様になれば全部収まることじゃない」
ふたりのぽかんとした顔がアロアを見つめた。
「私、間違ったこと言ってる?」




