アーサーの告白③
「私は、生まれてから一度も城から出たことがなかった。城に篭って、ただ、食事を食べ眠るだけの日々だった。そんな退屈な日々が一年前、城の中で白髪の老人に会ってすべてが変わった。そいつは、私がこの国の真の王だと言ってきた。頭の狂った老人なのかと思ったが、城の中でその姿を見たのは私しかおらず、城の中を捜索させても誰ひとり見つけることができなかった。しかし、数日経った頃、私以外の3人の人間の前にも現れた。1人目は、この国の騎士団の一員だったランスロット、2人目は、先代の王の娘であるグウィネヴィア、3人目は、国王軍のガウェイン。この3人には、私と共に選定の剣を探すように言った。そして、私たちは・・・」
アーサーの目にふと初めて4人が揃った時の光景が蘇った。アーサーの偉そうな態度にランスロットは怒り、グウィネヴィアは呆れ、ガウェインは笑っていた。
まだ一年前の記憶なのにもうずっと昔のことのようにアーサーは思った。
「私たちは、剣を探す旅に出た。もちろん、父は、私が外出することを許さなかったから、私たちは父に見つからないように城を抜け出した」
アーサーは、旅のことを思い出すといつも胸があったかくなる。
本当に楽しかった。辛いこともあったはずなのに。
「だが、この旅で剣を見つけることはできず、私たちは追ってきた騎士団と国王軍に捕まり、全員バラバラになった。私は城に幽閉され、ランスロットは、私たちを裏切り、父の権力で騎士団の団長になり、グウィネヴィアは、父の命令で城から追放され、別の城へ。だが、ガウェインだけは、諦めなかった。私がもういいといっても聞かなかった。そして遂に剣のありかを見つけ出した。でも、そのことが父に知られ、殺された。私の目の前で」
アーサーは黙った。アロアも何も言わなかった。




