41/213
アロアの回想⑤
夕映えの大聖堂を見つめる彼の笑顔は悲しく、でも、優しくて美しかった。
その横顔に恐れを感じてしまうほど。
夕映えに照らされた彼がアロアを見つめる。
貧乏人だって時には生き方を選べるんだ。
他の人がけちを付けられないほどえらくなるんだ。
そう言いた放った彼は、アロアに微笑み、言葉を続ける。
えらくなるか死んでしまうかだよ。アロア。
こんなことになるなんて想像もしなかった。
私たちは、あの時全く違う未来を描いて2人で生きて行こうと決めたのに。
シスターはアロアに言い放つ。
「こんな結果を全く望んでいなかったと思う。でもね、自分で決めたことって案外そういうものなのよ。だからどんなに情けなくても、辛くてもそれが自分の決めた道であるなら逃げてはいけない」
シスターはアロアの手を力強く握った。
「自分で決めたことに責任を持ちなさい」
アロアの目の前からかつての親友が消えていく。




