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アロアの回想②
シスターは話を続ける。
「ずっと自分の犯した過ちから少しでも逃げたくてたまらなかった。でもね、私の過ちは大きすぎて逃げたくても逃げられなかったの」
そう言ったシスターの顔は笑っていた。
この人は、一体どんな過ちを犯したのだろう。
アロアはそう疑問に思ったが、なぜか聞いてはいけないような気がした。
「だからずっと自分を責め続けていた。死にたくなるくらい。でもね、ある日、ふと思ったのよ。過ちを犯そうと決めたのは自分だって。もちろん、初めからそれが過ちになるってわかっていたら、そんなことをしなかったわ。でも、結局過ちを犯したのは自分。それを決めたのも自分。そう思ったらなんとかなるような気がしてきたの」
「なんとかなるって?」
「責任を持つこと」
アロアはきょとんとした顔でシスターを見つめた。
「自分で決めたことに責任を持つこと。それが簡単にできるような気がしたの」
責任なんて重いものでしかないとアロアは思った。
ましてや目の前にいるこのシスターは逃げたくても逃げられない過ちを犯しているわけなのだから。
シスターはアロアの疑問に応えるように話を続ける。
「自分で決めたことって、自分でどうにかできると思わない?」
シスターのその問いかけがアロアの頭の中でこだまする。




