アロアの回想①
行き倒れていたところをシスターに助けてもらい、数日が過ぎた。
アロアの体力はもう十分動けるまでに回復していたが、動く気力が彼女にはなかった。
ぼうっと窓の外を見つめていた時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「入りますよ~」
明るい声と同時に扉が開く。
美しい青い瞳をしたシスターがアロアに微笑んだ。
「この前に比べて顔色がかなりよくなったわ。もう、どこにでも行けるわよ」
アロアはその言葉を聞いて思った。
(どこへ?どこへいけばいいの?)
「どこでもいいわよ」
アロアははっと顔を上げて、シスターを見つめた。
また心を見透かされた気分になった。
「なんならここにいてもいいわ。でも、あなた今、何もしたくない、そんな気持ちでしょ?」
アロアは俯いた。
「自分が嫌い?」
アロアは更に俯いた。
「少し昔の話をしましょうか」
シスターはアロアのベッドの横にある椅子に腰掛けた。
「昔ね、私ひどい過ちを犯したことがあったの。その時は本当に自分を責めた。今のあなたの様に自分が大っ嫌いだった」
アロアは俯いていた顔をゆっくり上げて、シスターを見つめた。
その時、アロアは初めてシスターの顔をしっかりと見たのだった。
美しい青い瞳に、白い肌、赤い唇、ただただ美しかった。
アロアは思わずその顔に見惚れてしまった。
シスターは顔を上げたアロアに優しく微笑む。
(それでどうしたの?)
「それでどうしたの?」
アロアは思ったことが口に出ていて驚いた。
もしかしたらさっきの疑問も口に出ていたのかもしれない。




