剣の秘密
◯グウィネヴィア
「剣です」
グウィネヴィアの、まずはあなたが一番疑問に思っていることを教えて?という質問に男は即答した。
「王を選ぶ選定の剣のことね」
「この国では、剣が王を選びます。だから選定の剣をウーサー王が持っている以上ウーサー王は本物です」
「偽物だとしたら?」
背筋の良い男はグウィネヴィアの問いかけに首をかしげた。
「剣が偽物?そんなこと絶対ありえません。剣は代々この王国の王になる人間にしか石から引き抜くことができない剣なんですよ。ウーサー王が剣を持っている時点で王に決まっているではないですか」
「偽物を作ることができれば騙せるわ」
「それも不可能です」
「なぜ?」
「剣を引き抜く話以前に、見つけ出すことができるのは選ばれた王だけだからです。そして剣には、代々王室の紋章が掘られていて・・・ってグウィネヴィア様はご存知のはずでしょう!」
グウィネヴィアはくすくすと笑った。
「ええ。全部知っているわ。先代の王が死ぬと王の剣は消えて、石に刺さった新しい剣が出現する。その剣を見つけ出し、引き抜くことができる者は次の王だけ。で、剣を見つけ引き抜いた王は、先代の王が残した紋章と剣の紋章を適合させて晴れて新王が誕生する。ぜーんぶ知っているわ?」
「ではやはり不可能ではないですか!ウーサー王は歴とした王ですよ」
「いいえ。偽物よ」
男は少しむっとしたが、あることに気がついた。
「まさか・・・先代の王から紋章を教えてもらいウーサー王が偽物を作らしたとか」
グウィネヴィアの顔から笑みが消えた。
「お前、私の父を愚弄するの?」
今までの鈴を転がしたような声とは正反対の低い声。男は驚いて頭を下げた。
「も、申し訳ございません!つい、口が過ぎました」
「父は、そのようなことをする人ではない。もちろん父の前の王もその前の王も。
剣に選定された王はみな王の素質というものを持っている方たちだもの」
男はおそるおそるグウィネヴィアの顔を見た。その顔には笑みが戻っていた。




