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ALOISE(アロア)  作者: 十八谷 瑠南
199/213

戦い②

◯アロア

敵がいくらなんでも多すぎる。

アロアは、アーサーとランスロットを見つめた。

いくらふたりが強くても、さすがにこの人数で国王軍を相手にするのはきつい。

「やっぱり、応援がいるわね」

そう呟いた時、アロアの動きが止まった。

いや、違う。

私たちの目的は・・・。

アロアは、足にもっと力を込めた。

地面を蹴り、叫んだ。

「私たちの目的は、ウーサー王を王位から引きずり下ろすこと。誰でもいい。はやく城へ!」

「その通りだ。アロア」

アロアの横にいつの間にかアーサーがいた。

アーサーが剣を持つ手に力を込めるのがアロアには、わかった。

「アーサー、あなた本当はわかっていたんじゃないの?」

「何が?」

「この大群を倒すことが私たちの目的じゃない。あくまで私たちの目的はウーサー王の元にたどり着くこと。そのためには、あなたのその力や、ランスロットの力だけで十分なはず」

アーサーはふっと顔に笑みを作り、持っていた剣を横に振った。

「え?」

アロアの横を大きな風が通り過ぎた。

その風は、目の前にいた国王軍の大群を一気に吹き飛ばした。

「これは」

アロアは、驚いて、アーサーを見つめた。

「ああ。私たちだけで十分だ。この戦いをするには。だが、これは、私たちだけの戦いではないだろう?」

アーサーの金色の瞳がアロアを見下ろした。

「国のために民がいる。知って欲しかった。考えて欲しかった。この王国の未来を。だからあの放送をした。共に戦うことに意味がある。人員は、必要だ」

アロアは、アーサーをじっと見つめた。

アーサーが反乱軍の協力を断ったのは、反乱軍の力を借りたくなかったからだと思っていた。

でも、それだけじゃなかった。

反乱軍じゃなくて、もっと誰がこの戦いに協力すべきなのかわかったからだ。

「行くぞ、アロア」

アロアは、ぐっと足に力を込める。

「ええ」

アロアとアーサーは、地面を蹴る。城へ向かって。


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