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ALOISE(アロア)  作者: 十八谷 瑠南
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アロアとの再会

◯アーサー

アーサーは見間違いかと思ったがそんなことはないと走れば走るほど確信していた。

あれは、マーリンだった。

アーサーは路地裏をがむしゃらに走っていたから気がつかなかった。

銃声がどんどん大きくなっていることを。

目の前に迫ってくる角を右に曲がったところで、国王軍がこちらに向かってくるのが見えた。

アーサーは舌打ちをして、来た道を少し戻り、また別の角を曲がった。

しかし、そこも目の前から国王軍が向かってきた。

アーサーはそこで初めて考えた。

なぜ国王軍がこんなところに?

そしてやっとアーサーの耳に銃声が聞こえた。

一体、何が?

アーサーから見える範囲にある路地裏の道という道から国王軍がこちらに向かってくる。

こんなところで捕まるわけにはいかない。

アーサーは、懐に入れている剣の柄をつかんだ。

こんな剣で戦えるかわからないが。

剣を掴む手に力をこめたその時、アーサーの頭の上から声がした。

「久しぶりね。アーサー」

アーサーは、その声に驚いて、剣の柄から手を離した。

「アロア」

アーサーの目の前にアロアが舞い降りた。

「貴様なぜ」

アロアは、アーサーに背を向けたまま、国王軍に向って走り出した。

銃声がまた響いた。

だが、アロアは国王軍に向かって行く。

「アロア!無茶だ!」


◯アロア

アーサーの叫び声に、アロアは驚いて、立ち止まった。

アーサー・・・もしかして

アロアはゆっくり青色の瞳をアーサーに向けた。

ああ。やっぱり。

アーサーの顔つきはアロアたちと別れた時と明らかに変わっていた。

アーサーが初めて見せる心配そうな顔がなんだかおかしかった。

それがあなたの本当の姿なのね。

アロアは、アーサーに向かって叫んだ。

「じゃあ助けてよ」

アーサーの金色の瞳を見つめているとアロアにはアーサーが困惑しているのがわかった。

どうやって?この状況で。

そう訴えている気がした。

アロアは微笑んだ。

「その剣で」


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