アーサーの決意
◯ロッシュ
「ロッシュ、アロアを連れ戻すぞ」
ロッシュは驚いて、少年を見つめた。
「お前、何言って」
ロッシュは少年の顔を見て言葉を飲み込んだ
少年の顔は、先程までとは全く違う。
大人びた顔立ちをしていた。
こちらを真っ直ぐ見つめる金色の瞳に思わずロッシュは萎縮しそうになった。
「貴様に言わなければならないことがある」
「え?」
「私なのだ。アロアを戦いに巻き込んだのは」
ロッシュは驚いて言葉が出てこなかった。
「最果ての西の街、あそこで私はアロアに助けてもらい、そこからの隣街での騒動まで、行動を供にした」
「お前、アロアと会っていたのか」
「アロアは、私が死んだ親友に似ていたという理由だけで手助けをしてくれていたのだな。ここに来てよくわかった」
「じゃ、じゃあお前が王様の剣を盗んだ犯人?」
少年は、微笑んだ。
「剣の盗人か。そうだったな」
「そうだったなって」
「ここからは話が少しややこしくなる」
ロッシュは未だに頭が混乱していて状況が理解できなかった。
「お前、何者なんだ?」
少年の金色の瞳が光った。
「私は、アーサー。アーサー・ペンドラゴン。この国の王子。いや」
少年はにっと笑った。
「この国の真の王だ」