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ALOISE(アロア)  作者: 十八谷 瑠南
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アロアとランスロット

◯ランスロット

なぜだ?

なぜここに来た?

ランスロットは城の地下に向かって走っていた。

城を走り抜けるランスロットを邪魔するものは誰もいない。

彼の気迫が誰も寄せ付けなかったからだ。

地下へ続く階段の前へたどり着いたランスロットは深く息を吸い、吐いた。

息を落ち着かせて階段をゆっくりと下りていく。

なぜ?

彼の頭の中は疑問でいっぱいだった。

階段を下りる彼の目に黒い鉄格子が映った。

そこに立っていた背筋をピンと伸ばした男がなにか声を発しようとしたのをランスロットは手で遮った。

「ここを開けてくれ」

男は何も言わず、鉄格子を開けた。

中に入ると、さらに左右にいくつもの鉄格子が並んでいる。

暗くてよく見えないが、目を凝らすとひとつの鉄格子にひとりずつ閉じ込められている。

しかし、ランスロットの目には一番奥にある鉄格子しか映らない。ランスロットはそこでようやく疑問を口にできる。

「なぜだ?なぜ?お前がここにいる?」

ランスロットはじっと鉄格子の中を見つめた。

青い瞳がこちらを見つめ返す。

「なぜだ?シスター・・・アロア」

鉄格子の中にいるアロアは微笑み、ランスロットの疑問に答えた。

「もう逃げるのに疲れたの」

ランスロットはアロアを睨む。

アロアはそんなランスロットを見て吹き出した。

「うそうそ。冗談よ」

「そんな格好でよく冗談など言えるな」

「ああ。これ?」

アロアは両腕を上げた。

彼女の腕には手錠が掛けられていた。

「こんなのすぐ引きちぎれるわよ」

ランスロットが怪訝そうにアロアを見る。

「アーサーは、どこだ?」

アロアの青い瞳がじっとランスロットを見つめた。

「そのことであなたに話があるのよ」

ランスロットはアロアを見つめ返す。

「そのために私はここに来た」


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