123/213
親友との再会?
生きていたのか?
ロッシュは宿屋の扉を開けて外に飛び出し、息を切らしながら叫んだ。
「おい!お前!宿屋の迷惑客!」
ロッシュの青い瞳に懐かしい少年の姿が映る。
あの金色の髪。優しい眼差し。
ああ。
やっぱり。
生きていたんだな!
「お前、ネロだろ?ネロなんだよな?」
少年が口を開いた。
「貴様」
「きさま?」
ロッシュはぽかんと口を開けたままかたまってしまった。
「私に言っているのか?」
少年はロッシュに背を向けるとまた歩き出した。
「ま、待てって!ネロ!」
ロッシュが少年の肩を掴んで引き止めた。
少年は肩におかれたロッシュの手を払いのけ、振り向いた。
「しつこいぞ!」
少年がロッシュを睨みつけていたが、ロッシュは少年の顔が懐かしくてたまらなかった。
ずっと会いたかった。
ずっと謝りたかった。
ロッシュの青い瞳から自然と涙がこぼれてきた。
「ネロ・・・会いたかった!」
そう言い放ったロッシュは少年に抱きついた。
「な、何をする!?貴様、離せ!」
しかし、ロッシュは離さない。
なぜなら彼は、もう一生会えないと思っていた親友に会えたと思っていたから。