表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ALOISE(アロア)  作者: 十八谷 瑠南
112/213

アーサーは許せない

◯アーサー

全てあいつのせいだ。

父が王になったのも。

国が荒れたのも。

ガウェインが死んだのも。

全てあいつのせいだ。

殺してやる。

アーサーは背中にくくりつけていた剣を引き抜いて舞台から飛び降りた。

アロアが何か叫んだが今のアーサーには聞こえない。

アーサーは走った。

イズーの横にいる老人の元へ。

そのまま勢いにまかせて老人に向かって剣を振り下ろしたが、老人は優しく剣を受け止めた。

「マーリン!貴様!」

アーサーは剣を老人の手から離そうとしたが、離れない。

老人は、悲しそうに微笑んだ。

しかし、アーサーの目には映らない。

アーサーの目には憎い仇しか映らない。

老人が剣から手を離した。

アーサーはそのまま剣を老人に振り下ろしたが、何も起きない。

何も斬れていない。

アーサーは再び老人に向かって剣を振り下ろそうとしたが、イズーが老人の前に立ちふさがった。

「兄さん、やめて!どうしてリーダーにこんなこと」

アーサーの金色の瞳がじっと老人の瞳を見つめた。

老人の黒い瞳がアーサーを見つめ返す。

老人は目の前に立つイズーを優しく後ろへ追いやった。

「リーダー?」

アーサーが鼻で笑った。

「イズー、貴様もこいつのせいでこんな目に合っているのだぞ」

イズーはきょとんとした顔で老人の後ろからアーサーを見つめた。

「兄さん、どうゆうこと?」

アーサーは老人を睨みつける。

その目はまるで汚いものでも見ているようなそんな目だった。

この国が、こいつらがこんなにも苦しむことはなかった。

この国は間違っている。

全て、全て間違っている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ