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〜プロローグ〜
世界が神々によって作られてから数万、いや、数億年。
その事実、痕跡は、物理学などの学問によって否定されている。
それはさながら人間の愚かさ、傲慢さを示しているかの様だ。
だが、これから語ることになる世界では、未だ神々の子孫が存在しており、その事実は真実として人々に信じられている。
それはその子孫たちが名家として絶大な力を誇ることにつながっている。
そう、この世界において名家の血統であることは、その人間の仕事や社会的立場などの全てを決定づけるほど重要な意味を持つ。
それを助長するかのように、神々の血を少しでも継ぐ者は周囲に対する支配力を持っている。
魔法と言った方がわかりやすいかもしれない。その力は周囲の事象へ干渉することができる。
つまり、物理法則を限定的に改変できるのだ。ある者は風を従え、またある者は音を従える。
この物語はそんな力を持った人々が紡ぐ物語である。