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第01話 委員長 その1

「なーーーにーーーー。」


クラス全員が異議なしと俺がクラス委員長になる事を決議しやがった。


「それでは今季のクラス委員長は沖村君に決まりました。大変だけど頑張ってね。あと委員長の席は特別席だから。」


委員長ワッペンを付けた彼女はニコッと笑ったあと安堵の表情をして俺にワッペンを付けた。


「彼女が委員長じゃーないのかよ。俺は転校生だぞ。第一俺は一年留年してるんだよ。おれが委員長やるのはマズイだろ。

更にこんなワッペン付けたくねー。更に更に委員長に特別席があるなんて聞いてないぞ。」


そうワッペンの彼女は去年の委員長らしいのだ。


更によくわからないが委員長は特別席に座らないとならないらしい。


「君知らないのかい?このクラスの全員留年生なのだよ。まー僕の場合父上の会社の手伝いをしていて休学扱いになっただけだけどね。見たまえ僕の信条を。」


美形の顔立ちに肩に届きそうな長い黒髪に輝かしいキュ−ティクルを輝かせ、学生服の背中には王子と背中一杯に書かれてあった。


「・・・。いやーどっから突っ込んだもんか・・・。王子って信条じゃないしマスコミにでも騙されたか?

その異常なまでのキュ−ティクルはいったい・・。まーいいや。

ってか、えーーーーーーーーー。このクラスみんな留年生?」


俺の意思とは関係なく問答無用で委員長は俺と決まったらしい。


「このクラスは多数決主義。良くも悪くも大勢の味方を付けたものの勝利。しかし委員長だけは特別。君だけは多数決に関係なく自分の意思で動く事が許される唯一の存在。が故に責任を取らされるのも委員長。みんな他人の責任なんかとりたくないのよ。だから転校生の君が委員長に選ばれたって訳。」


と耳元で軽く囁く元委員長。


「俺は中間管理職のサラリーマンか。」


完全にはめられた・・・。


「き・・き・・君が僕に対して言った失言が後になって後悔しない事を祈ってなさい。」


失言に対して一人怒らせてしまった。


「キューティクル・・・。」


ついつい口が滑ってしまった。


「キューティクルとはまさか僕の事ではないよな・・・?」


殺気にも似たオーラが彼に漂う。


「・・・キューティクル。」


俺はそれしか思いつかなっかった。


「誰がじゃ。僕はそんな名前ではではない。」


キューティクルはキューティクルを否定した。


「たまご・・・。」


俺はもうこの際遊ぶ事にした。


「たまご??」


キューティクルはどうしてたまごか気付かない。


「教えてあげようか?」


「お・・おう。」


俺は丁度棚のうえにあった白のマッキ−を持ってキューティクルの前に立った。


「どうした?」


キューティクルはまだ気付かない。


「教えてあげるからちょっと目を閉じて。」


キューティクルは目を閉じた。


が・・俺が飽きたので放置する事にした。


まー教えてあげようかって言って素直にYESって事は根は真面目なのだろう。

真面目が故に可哀想な感じにもなったのかもしれない。


「あーあっ。」


頭を掻き元委員長に一回あいずちをうつと俺はみんなに向かって宣言した。


「今から俺が委員長だ。この3年A組は俺がしきる。みんなよろしく。」


拍手が俺に送られ悪くない気分で初日を終えた。


キューティクルは結局、玉子に気付かず神尾光と名乗ってその日は話す事も無かった。



夜10時。疲れた一日も終わり寝ようとするとテンが話かけて来た。


「なんか面白い事になって来たな。委員長とか嫌いじゃないんだろ?良かったじゃん。」


俺は無視して寝ようとする。


「お前良く委員長なんか引き受けたな?面倒な事になりそうだぜ。まーお前がいいなら俺はいいけどさ。」


アッキーの声もウトウトする俺の体から聞こえてきていたような気がした・・・。


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