第5話:挑戦者番号005
頭上にある大量のモニターがあるお部屋で佇むのはこの私……テラーだ!という事で
「今回一人脱落した女を殺したのはあの殺人鬼と呼ばれた木島修介だ!今日はそこでいそいそと遠巻きで楽しんでいる君達にあのクレイジー女の詳細を教えていくので、楽しんで聞いてくれ!」
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クレイジー女の詳細な名前は加藤理沙という事件が起きるまでは極々普通の華奢な女の子で義務教育期間真っ只中で中学を謳歌して、父と母の三人家族でいそいそと暮らしていたみたいだけど……一年後に父が他界した事により生活は大幅な逆転を起こしたという訳だ。
何が一番変わったのか、それは生活が一気に貧しくなってしまった母が生活費を稼ぐ為に賃貸のボロ臭い家で水商売の仕事に明け暮れていた事だ。おや?どうやらあそこで母と良くわからない男とテーブルに行儀良く座っている理沙ちゃんが居るみたいだから一緒に見てみよう!
「おらおら!もっと酒とツマミをくれよ~天音さん」
「はいはい、ちょっと待っといてね~」
おや?どうやら母が扉を閉めて理沙ちゃんは見知らぬ男と二人きりになってしまったようだけど
「へへへ、お前さん……中々に可愛いな。もっとこっちに来ておじさんと話そうよ。色々と積もる話をしたいしな」
「結構です」
普通の反応だよね~何せ見知らぬ中年のおっさんに会って早々に向かい合わせで隣に来いとか気持ち悪い発言をするだからさ。でも、このおっさんは嫌だとお断りしているのにも関わらず理沙ちゃんの隣に許可無く座って正座している理沙ちゃんの膝を触りまくるだよね。勿論触られまくっている理沙ちゃんの反応は
「いや!やめて!」
「うるせぇな!俺は飢えてたんだよ!触らせろや!」
中年のおっさんはこの後、理沙ちゃんが嫌がっているのを無視して強姦したんだ。えっ?酒やツマミを準備していた母の天音は何していたの?そりゃあ、考えなくても簡単だよ。無視したんだ。外に出てやり終わるまでね。強姦が終了して解放された理沙ちゃんは母を泣きながら問い詰めた。すると返って来た返事は……
「あんたは私の糧になればそれで良いの。これからもここで生きてきたければ大人しく私の言う事を聞いていなさい!」
あらあら、随分とヤバい母になってしまったもんだね。
「でも、私は……」
「あんたは良く頑張ったわ。あんたのおかげで封筒の中が万札だらけなのよ。本当にありがたいわ」
母の天音は大声で叫びながら、茶色の封筒を机の上にバラまいたみたいだけど……値段は10万円という高価な金額だね。とはいえ理沙ちゃんの初めてが見知らぬおっさんに奪われてしまった訳だけど。
「お母さん、なんで止めさせなかったの!普通は止めるよ――」
キター!母からの強烈往復ビンタだ!こりゃあ酷いね。もし自分が理沙ちゃんの立場に立っていたら、家庭の包丁で血飛沫を部屋中の壁にに飛ばしていたね。
「黙りなさい!あんたはただ私の指示に従えばそれで良いの!」
「母……さん」
理沙ちゃんはこの時点で母に深い失望して、翌日になると母が起きない内にこっそりと抜け出しんだ……勿論、金も無く住む家も未だに決まっていない放浪の旅なんだけど。
このまま居たら見知らぬおっさんにまた襲われて、最悪愛してもいない男の赤ちゃんを産むか下ろすかの二択を迫られていたからね。良い判断とは言えないけどマシな判断ではあるね。
その後理沙ちゃんは目的が見当たらない旅をフラフラとしていると電柱に募集している仕事の広告を見て
「綺麗な街で真っ直ぐに歩くモデルのバイトに挑戦したい方は居ませんか?時給1000円&履歴書不要……これ良いかも」
時給もそれなりに高いと踏んだ理沙ちゃんは雀の涙しかない財布で公衆電話を使ってバイトに応募したんだ。そして後日に面接を受けてすぐに採用を貰えたんだ。
やったね!理沙ちゃんはとても嬉しそうな表情をしている……けどね。人生はそんなに甘くは無いんだよね。此処から理沙ちゃんでは無く加藤理沙は大きく少女としての路線を踏み外す事になったのさ。それは面接が終わって採用を頂いてから初めて勤務場所であるビルに入った時だ。
「おはようございます!今日から宜しくお願いします!」
「やぁ、おはよう。今日から宜しくね!理沙ちゃん!」
おや、理沙ちゃんはどうやら疑問の表情を浮かべているようだね。そりゃあ、当然か。何せ面接で会ってから初めて仕事を共にするのに下の名前でちゃん付けされているからね。
でも直ぐに吹っ切れた加藤里沙は軽い準備を済ませてから、担当の車に乗り込んで現場に向かったんだけど到着して指差された場所はまたしてもビルだった。
さすがに何か変だなと感じた加藤里沙は直ぐ担当の人に質問を投げ掛けたけど上手く言いくるめられて連れて行かれたら、ビルには不似合いの白を基調としたベッドと何か良く分からない器具とコスプレイヤーが好んで使いそうな服装があったんだ。これにはヤバいと感じた加藤里沙は悲鳴を上げたんだ。
「そんな、いや!いやぁぁ!」
後ろを振り向いて扉の方へと手を伸ばしたらどこからともなく待機していたと思われる二人の男に力強く掴まえられて、壁と一体化した手錠を両手と両足に固定されると担当者に沢山撮影されたんだ。
ここからだよね……加藤理沙のリミッターというか自制心が崩壊したのは。自制心が壊れたのは一週間後。一週間の間にめちゃくちゃ遊ばれた加藤理沙の身体はもはや崩壊寸前に等しい程の顔付きになっていた。それでも担当者は加藤里沙を監禁して、沢山の金が入った封筒を置いて餌を与えた。
何の為に生きて何の為に暮らしているのか、理解不能へと陥った加藤理沙は遂に行動を起こした!加藤理沙は棚に置いてある手錠×2と警棒のような物×2をベッドの中に忍ばせて準備を済ませてお決まりの撮影に入った。
「じゃあ、今回もいつも通りにテンション上げて気持ち良く終わらせてね!」
「はい」
加藤理沙のぼそっと口調に担当者は軽く舌打ちをしたけど、すぐに撮影はスタート。今回も上手くやれば数時間程度で終わる撮影。けど決意した加藤理沙は一人は男がノホホンと舞い上がって、もう一人の男が準備をしている所で加藤理沙はベッドの中に隠して置いた手錠を素早く出して、ボケッとしている男の両手に手錠を掛けた。勿論直ぐにもう一人の男は気づいた。
「この女、何してんだ!」
「ウルサイ、シネェ!」
ベッドの掛けカバーをバサリと開いて、隙を作ってから男が乗り上げて来た瞬間に警棒で一突きに刺した後に容赦無くグサグサと刺していく。その姿に酷く怖がっていたのはニヤリ顔で撮影していた担当者だった訳だけど。
加藤理沙は容赦なくグサグサと刺して、両手が使えない男を同じ様に殺すと担当者の方へ近づいていくんだ。無論、さすがのゲス担当者は情けない悲鳴を上げて助けを媚びたけどね。
「やめろ!やめてくれ!もう止める!もう止めるから俺を見逃してくれ!」
「オトコハキライダ。オンナダッタラスグニカラダヲネラウ。オトコハコノヨカラケス!」
「やめ……やめ――あぁぁぁ!」
うわぁ、自業自得とは言え可哀想な結末になっちゃったね。オマケに警棒の先端部分に血が垂れているが妙におぞましいよ。という事で以上を持って、クレイジー女で挑戦者番号005の加藤理沙の紹介を伝えた訳だけど……いかがだったかな?
私の紹介が下手くそで無いことを心から願うよ。それでは、引き続き殺し合いの世界を楽しんで下さいね!シーユー!