第3話:あばよ!基地外女!
女は激しい形相をしながらも中華包丁を自由自在に振り回していこうとする動きが見て取れると判断した俺は急所を突いて来る時に避けて様子見したが上手くベランダから落下してくれない事には妙な苛立ちを感じた。
「ヨケルナ!シネ!」
「お前が死ね!」
ベランダの窓にダイブして、再びリビングの方へと入って適当な鈍器を投げつけて牽制を取ってからどこかの写真立てを握って、距離を上手く取ってから写真立ての角で頭を殴りつけると女は痛々しい表情をしながら後退して、再び斬りつける。
「コノーー!ザコノブンザイデ!」
そろそろ耳障りなんだよな。いい加減に目障りだからさっさと殺しておかないとな。延長戦はキツすぎる……
「本当に鬱陶しいな。もっと殴りつける必要があるな!」
角に血痕が付着した写真立てを複数回に分けて力強く殴りつけていくがそれでも女は、まだ倒れる事も無くしぶとく立ち上がる姿にはさすがの俺も色んな意味で賞賛したいもんだが……そろそろ締めだな。写真立てをぶん殴げた俺は右手だけで挑発していくと上手い具合に乗せられていく事に内心ニヤニヤするしか無い。
「ソノカマエハデワタシヲチョウハツシテイルノカ。ヨカロウ、コレデオワラセテヤル!ラクニシニニナ!」
中華包丁を強く握りしめ、斬りつけの態勢に入る寸前に俺は隙が出来た時に台所にあった塩をばらまいて一瞬でも視界を奪ってから胸ポケットの中に潜ませておいた三角形ねシャンデリアを顔面に切り裂いてから喉元に突き刺すと女は悲鳴を上げていきながらも無理やりに立ち上がる。コイツ……中々に往生際が悪いな。日本で俺の攻撃でこんなに耐えきる奴は結構珍しいんだが。
「まだまだ、死なないのはさすがにヤバいな。お前は先ほど喉元を刺されたお陰で大分弱っていると思ったんだが」
「~~!」
それでも無理矢理に口を動かす所が素晴らしい所だな。本当に目障り過ぎる。女は喉から血を大量に垂れ流しながらも歩んでいく姿にか弱く振り回していくが、さすがに自信の体力はヘトヘトになっていたので俺はすぐに中華包丁を取り上げて腹をめった刺しにして女の人生を終わらせる事が叶った。あばよ……基地外女!お前は永遠に地獄をさまよっていやがれ。
「本気で清々したな。二度とその気色悪い顔見ることも無く済んだから本気でありがたいけどな」
俺はめった刺しにした死体にお得意の南妙法蓮華経をしてから、そそくさと去って二階へ移動してから探索を再開するや否や床から何かが転がってきた。それにしてもやたらと見たことがあるような
「やばっ!爆弾かよ!」
このまま前進しようが後退しようが巻き込まれるのは考えてみれば明白だとすぐに考え方を結びつけた俺は窓のガラスの方へと突っ込んで飛び降りるを図ると上手い事爆弾は二階の方に広がっただけで済んだが飛び降りさせられた俺は強引に近くの付近にあった枝に掴まったので掴まった手の方に血が広がっていた。
「やれやれ、酷い奴等だな。せっかく二階で探索しつつも安息しようと目論んでいたのに」
もう一度、館に潜入!はさすがにマズいよな。また爆弾とか凶悪な物を投げられたら凄く困るし。
「となると、館の捜索は断念だな」
まぁ、仕方ないな。妙な霧が掛かっている森を歩き回りながら食べ物を探す事にするかね。
「しかし、誰も居ない上に動物の鳴き声すらしないから本気で怖いわ。頼むから背後で奇襲するなよ……苦手なんだよ。脅かし系は」
しかも、独り言を喋ろうが誰一人返事すらしてくれないから寂しい事この上無いな。せめて悲鳴を聞かせて欲しいもんだよ、全く。
「ガルゥゥ」
とか言ってたら、早速獲物発見!どうやって仕留めようかな。
「手に持っている包丁でグサリと一発で仕留めて解体が手っ取り早いが、目の前で警戒している番犬のような犬は素早い動きで逃げまくって隙が出たら殺してくるんだろうな」
犬の眼孔がひた走った瞬間に犬は遠吠えを上げてから俺に向かって噛みつく仕草を取ったのでひとまず全速力で退却してから森の茂みに隠れると犬は周辺の状況をよく確認していた。
まるでどこかのハンターさんみたいな動きがちょいと笑えるが、今はそんな事を考えている時間は無さそうだ。
(犬は嗅覚に敏感だとか昔から言われていたから。このまま近づいてもやられるのがオチだな……さてどうしたもんか)
おっとと、どうやら犬はこっちにゆっくりと足を進めて来やがったな。このままだと噛み千切られて遭えなくゲームオーバーになる可能性は半分と言った所か。早く対処しないと俺の命が無くなるな……よし、決めた。
「戦略的撤退!」
茂みから立ち上がって大急ぎでダッシュしていく俺に犬は容赦なく牙を向いてくる。全く持って可愛げが無いのはどうにかして欲しいもんだな!
薄暗くて余り良く見えない森の道を全速力で考えも無しに進んでいく俺の正面付近に小さな小屋があるというナイスな展開が誕生したので俺は犬に追いかけられながらも小屋の隣にある井戸に急いで紐を掴みながら隠れると犬は遠吠えを上げながら、辺りを捜索し始めた。危ない危ない……ちょっと匂いが籠もってて臭すぎるのがキズだが井戸なんかがあっとかなり助かったぜ。
「よっと。あの犬の始末はまた別の機会で考えるとして……まずはこの小屋に侵入だな。上手くいけば寝られそうだ」
さすがの元気だけが取り柄な俺も動きまくりで疲れたからこの小屋でゆっくりと寝たいんだよな。
暖かい飯が食べられないのは真に遺憾だが……
「お邪魔するぜ」
小屋の扉をバタンと開けてみると、そこには古い道具などが置かれていたホコリが積もっているお部屋で妙に血なまぐさかった。だが結構だ……ここに居れば、しばらくは敵も来ないし何よりさっき俺を殺そうとしてきた狂犬が居ないからな。
「けど腹は減るんだよな。この腹鳴りはどうすれば良いんだ?」
日本で逃げていた俺だったら店の裏に捨てられたら廃棄食品とか無料で食ってたんだがな。あの頃は探せば何でもありつけたから最高の空間だったが……ここは別だ。
何かを捕らえて食べなければ空腹に満たされて死んでしまう。本当に面倒くさいルールだよな……せめて決められた時間に食品を空中から投下してくれないもんかな?そうした方が手っ取り早く片付けられるのに
「とか言いながら、ゴチャゴャと探していたら良い缶詰めを確保したぜ」
しかもシーフード缶か。コイツは良い物を捕獲したな。俺は鼻歌混じりに缶詰めの蓋を解放して空中でシーフードを口に入れる。本来、普通の人は取り出して何かに加工してからお箸やらで食べていく物だが、無い以上は致し方無いのでそのままで食べる事にする。
「はぁ、パサパサだったがこんな物だろう。御馳走様!じゃあ次は」
缶をそこらにポイ捨てしてからこの狭い小屋をしらみつぶしに調べていくと、面白い物が見つかった。
「背中に背負えるバックか。見た所、中々に良い感じに入りそうだしこれを背負っていくか」
俺は黒色の背中に背負える両肩のバックを背負って、一回りしてシャドウボクシングをしてから再び小屋を調べると色々と役に立ちそうな物を見つけ出した。
最初はどこかのメーカーが作ったと思われるマッチだ。中は空っぽの状態だったが周辺を探していたら、きっと上手い事見つけるだろうから長期戦を見込んで小奴は持っていく事にする。
他は先端が折れ曲がっているバールなどがあった。コイツは本来の用途として余り役には立てなさそうだが、牽制にもなるしバックにも仕舞えるから一応持っていく事にする。
そして、最後に弾倉と拳銃のスライドと思われる物を発見した。これは最後まで見つけて完成させればかなり強力な武器として人間を血祭りに出来るから絶対に持っていく事にする。
「今日の俺の物語はここまでだな。お休み」
俺は小屋の端っこに置いてあるショベルで扉に斜めにセットしてから眠りについた。明日はどんな事が待ち受けるだろうか?楽しみで仕方がないぜ!