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最初の晩餐

先ほどからご機嫌のアイシャを連れてギルドへと帰ってきた。途中で着替えなどの生活にいる必需品を買いそろえていたのだが時間は5分余裕があり、ミッション成功と心の中でつぶやく。


「そういえばご主人様、結局よかったの」


何の話だろうか、口調に関しては真名に誓ったから違うだろうし。


「待ち合わせなんでしょ。相手って女の子じゃないの?」


やらかした……。途中まで覚えていたはずなのにすっかり忘れていた、そもそもなんで女の子との待ち合わせだとバレたのだろうか。いや、ここはもう男らしく堂々と接するべきだろう。そもそも別に付き合ってる相手とかでもないし問題ないはずだ。俺が心の中で自分に対する言い訳をしていたところに仕事を終えたらしいミナがやってきた。


「すいませんお待たせしてし……」


慌てるんじゃない、まだ大丈夫だ。この状態を正当化できる言葉があれば言いのだ。結局堂々とはどこへやら適当な言い訳を考える。


「俺のパーティー仲間のアイシャだ、さっき話してみたら意気投合してな」


あれ、これもしかして言い訳になってない?そもそもあの目立って仕方のない首輪が彼女が奴隷であると明言している。アイシャも面白いことになったみたいな顔をしている。さっきまで暗い顔してた癖に都合のいいやつめ。


「……もしかしてレン様って気が多い方なのでしょうか」


そのつぶやきは一般人には聞こえないだろうがエルフや俺には普通に聞こえるぞ。俺の隣で自分の主人のことなのに必死で笑いを我慢しているエルフにはあとでお仕置きをしてやりたいところだ。


「それとミナもレン様じゃなくて出来ればレンと呼んでくれ。あとアイシャは俺の奴隷だが奴隷扱いしないで仲良くしてくれるとありがたいな」

「ご、誤魔化されたりしないですよ。……落ち着いてミナこれはきっとプレイボーイレンさんの策略なの」


盛大な勘違いをされてるな、俺は記憶のなくなる前は知らないが人生始まって1日目なのに遊んでるわけがない。とりあえず呼び方が様からさんになったのは距離が縮まった感じがあっていいな。


「誤解だ、俺は遊びはしない主義だ。すべて本気なんだ」


ちょっと待て、俺の口何言ってんの。もしかして昔は本当にプレイボーイだったのだろうか、それなら記憶消して転生なんてせずにのんびりしてろよ。

ギャグとして受け取って貰えたかミナは吹き出して機嫌も回復したようなので3人で飯屋へと向かう。すれ違う男が何人か鋭い目つきを向けてくるがしょうがないだろうといいたい。

特に洒落た店でもなくちょっと贅沢なくらいの店になったがミナの顔を見る限り結構うれしそうなので俺もほっとした。別に奴隷だから入店制限とかはないようで一安心。移動中にミナとアイシャがやたら仲良くなったのは謎だが、アイシャに同姓の友人ができるのはいいことだろうし初日とは思えない成果だ。俺はなるべく介入しないようにしていたので二人の波長が合ったと考えるのが妥当だろう。決して俺が話に入れなくて困ってたなんてことはなかった。


「実はミナに一般常識について聞きたかったんだ」

「ほえ?」


なんかその返事可愛いな、あどけなさの残る顔によく似合う。とりあえず俺はそのまま話を続行する。


「今日何度かミナが常識外れのものを見るような反応をしてたからな、その辺り知っておきたかったんだ」

「でははっきり言いましょう、あのステータスは常識外もいいところです。そもそもセンスLなんて今の冒険者ギルドでもっている人はいません」


センスLのところでアイシャも驚いた顔をしているがお前もLあったぞと突っ込んでやりたい。やはりアイシャは天才ということになるのだろう。いい買い物をしたものだ。


「他にもレベル1の素手でスライムを倒すというのは驚きました。彼らは弱いですが打撃にはやたら強いので剣や魔法が効果的です」


この後で剣を作ろう、俺は心の中でそう誓う。実際ギルドにも剣の才能があることは見せているわけなのでメインウエポンとするべきだろう。今度もまたアイシャが驚きの表情を浮かべる、スライムを素手で倒すのがそんなにおかしいか。


「あと奴隷の相場について教えてくれないか」

「お1人では足りないんでしょうか?そうですね女性奴隷は大体金貨1枚あれば買えるような奴隷から白金貨10枚を超えるものまでありますよ」


先ほどと違い拗ねたような態度にならない、呆れられたのだろうか。隣のアイシャが少しにやけた顔で俺に話しかけてくる。


「ご主人様バレてるね」

「女性奴隷決め打ちってのはどうかと思うぞ」

「……そういえばやけに距離感が近いですね」


あ、まずい。そのまま話すと俺の黒歴史級の慰めが聞かれる。俺が心の中でやめてくれと祈っていたがアイシャはしてやったりという顔で俺のほうを見た後に笑顔で告げた。


「ええ、実はご主人様は先ほど私を買ったんだけど絶望していた私にこういったの『命令もするし普通に手も出すが基本は自由で生活水準自体は俺と同じにするからそれで妥協してくれ』と」


一瞬空気が凍るが正直仕方のないことだろう。こんなふざけた慰め方はないしされて機嫌がよくなっている方もどうかしている。俺が言葉に困っていると店員さんがちょうど料理を持ってきてくれた。これをきっかけにうまく話を逸らすことに成功してそこからは料理の話題やその他一般常識について会話を弾ませた。



「送ってくれてありがとうレンさん」


少しだけ砕けた話し方になったミナが言った。すっかり日も暮れていたので一応ということで彼女の家まで3人で向かったのだ。

彼女はギルドの寮に住んでいるようでさっきから窓からこちらを見ている女性が気になってしょうがない。


「そ、それとあんまりし過ぎないようにしてくださいね?クエスト行く体力くらいは残しておいた方がいいですよ」


さっきの買ったの意味を誤解されているらしいがなんだか受け入れられてる。


「ミナ、今日は俺が色々やらかしたが楽しかった。もしよかったらまた行かないか」

「うーんどうしましょう……次は2人でお願いしますね」


にこりと笑った表情はとても可愛らしくハーレム目指すのも悪くないなと思い始めたのは俺の心の中だけにしまっておこう。彼女が寮の中に入るのを確認してから俺は疑問を口に出した。


「今からでも宿って空いてんのかな」

「予約してなかったの!?ご主人様やっぱどこか抜けてるよ!」


とりあえず適当に探すと1部屋空いているところがあったので1か月単位で借りた。当然2人1部屋である、わざわざ奴隷のためにもう1部屋借りるほど俺はお人よしではない。

俺は無音化魔法を使用する。これでこの部屋の音は外には漏れない。ここでいくら声を出しても大丈夫だ。


「ふう、サイレントの魔法を使用したからこれで外に音は出ない」

「む、無詠唱…。本当に何者ですか……というかご主人様は音が出ないようにして何をする気なんだろ私もしかして今日大人になっちゃう!?」

「大人になるのはまた今度だ。今日はちょっとした俺の秘密に関しての話をしようと思ってな」


俺の言葉を聞き顔を真っ赤にするアイシャだがまだまだ夜は長いのだ、試したいことも粗方させてもらうとしよう。

………俺は心のメモにアイシャは強く押せばいけそうと記述しておいた。別に奴隷だから強制でもいいんだけど多少はいちゃいちゃしたいからな。

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