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ボス戦。後、ランクアップ。

す、すいません!

忙しくて投稿遅れてしまいました。(ガクブル)


「こいよ、弔い合戦を始めようじゃないか!」


僕が言葉を発すると同時に敵のボブゴブリンも大きな雄叫びを上げた。


取り巻きのゴブリン達が僕に向かって走り出す。


僕はゴブリンに袋叩きにされた時のことを思い出した。調子に乗って戦いを挑み、負けた。あの時、僕はひたすらに助けを願った。そして女神に助けられてしまった。今思うと凄く悔しい出来事だ。


だがけど、今は違う。

貰い物の力だけど、そんな事は気にしてない。

今はただ、目の前のゴブリン達を許せないでいた。そして、冒険者達を止めることするしなかった自分をも許せないでいた。あの時止めていたとしても、きっと、口論になっていただろう。手伝うという選択肢もあったはずだ。だが、気づいた時には彼らは既に事切れていた。だから、この力で。せめて……せめて、彼らの家族たちに遺品を届けよう。ドロップアイテムには彼らのギルドカードもあるはずだ。身元は分かるはずだ。それで、僕に罪滅ぼしをさせて欲しい。その罪滅ぼしとして、お前《ゴブリン達》らの命を捧げよう。


一匹めのゴブリンに目にも止まらぬ速さの斬撃をあたえた。


僕が覚えているのはここまで。


気がつくと、あたり一面にゴブリン達のドロップアイテム(遺品)が落ちている。


ボブゴブリンは僕の目の前。僕の持った剣で心臓を貫かれ静止していた。


戦いの間の記憶は曖昧。スキル任せ、怒り任せでどうやら、この階層のボスを倒してしまったようだ。



ドロップアイテム全てアイテムボックスに自動回収された。これは便利としか言いようがない。


一段落して僕は目の前に浮かんでいる黒い玉。ダンジョンコアに触れた。


『スキル【浄化】を取得しました。』


無機質な声。師匠《ダンジョン師匠》と全く同じ声が僕の頭の中にひびいた。


戦利品を手に入れた僕は消えない罪悪感を胸にギルドへともどる事にした。



ギルドの入口前。



「カイさん!!無事だったんですね!!」


声の方を向くとホッとした顔の女性。

ギルド員のアリアさんだ。


「はい、なんとか。」


「……よかった。それより、カイさん?顔色悪いけど……何かありましたか?」


どうやら顔に出てしまっていたようだ。

今回の件はギルドに報告しようと思ってたからアリアさんが話しかけて来てくれたのは丁度いいな。

これを話したら多分、アリアさんの僕を見る目が変わるだろうけど、これも覚悟したことだ。


「実は先程、十階層のボス、ボブゴブリンを倒したのですが、僕の前に他の冒険者三組がボブゴブリンの餌食になりまして……僕、前の三組が勝てないのはなんとなく分かっていたのに……」


ここまで言うとアリアさんは僕の気持ちを理解したようで優しい声で言った。


「……冒険者って言うのは見栄を張る職業柄だからプライドに傷を受けられたら絶対に許してくれない人も多いんです。だから、前の三組の冒険者さんに負けるから戦うなって言っていたら口論、いえ、剣を交える事になってますよ。だから、自分を責めなくていいんです。」


アリアさんの言葉には僕の胸を包み込むような優しさを感じた。


「カ、カイさん!?」


「?」


アリアさんは何に対して驚いていいるんだ?


あぁ、これのせいか。


気づくと僕は涙を流していた。

これは、驚いても仕方ない。


「すいません、何故か涙が……」


「い、いえ。でも、良かったです。さっきより随分と顔色が良くなっていますよ。」


「アリアさんのお陰です。」


そう言って僕はアリアさんに笑顔をむけた。



あれから一時間がたった。

幸いなことに他の冒険者は僕が涙したことは知らないらしい。


死んだ冒険者の遺品はギルドが責任をもって親族に返すらしい。そして、お金を貰えるとの事だったが受け取らなかった。


今は大量のドロップアイテムと魔石の買取をしてもらっている。


「お待たせ致しました。」


「流石に業務中は口調が変わるんですね。アリアさん。」


「あ、当たり前です!仕事ですし!!」


「アリアさん。素に戻ってます?」


僕の言葉にアリアさん顔を赤らめコホンと咳をこむと仕事人の顔に戻る。


「今回、ドロップアイテムによる素材が銀貨二枚、魔石(極小)五十三個で銀貨五枚と銅貨三枚、魔石(小)二十一個で金貨一枚と銅貨五枚、魔石(中)一個で銀貨一枚。合わせて18800Rです。」


思った以上の額だ。日本円で十八万八千円。


それも仕方ないのだろう。ハイリスク、ハイリターンが冒険者の売りだ。魔物の素材ドロップアイテムは一つで最低でも銅貨一枚はする。日本円で百円位の価値はあるという事だから大したものだ。そして魔石は一匹の魔物から一つは確実に取れるからそれ以上といってもいい。


魔石の価値は一応こうなっているらしい。


極少……銅貨一枚(100R)

小……銅貨五枚(500R)

中……銀貨一枚(1000R)

大……金貨一枚(10000R)

特大……大金貨一枚(100000R)

超特大……白金貨一枚(1000000R)


となっている。


そしてここでは紹介されていない貨幣。

屑貨一枚で1R、小銅貨一枚で10Rとなっていて冒険者には無縁のものだ。基本的に100R以下の金額はサービスで100Rで払うのが冒険者流なんだとか。因みにRはそのままアールという。



「カイさん!聞いてますかー?」


「す、すいません。あまりの金額に驚いていました。」


そう言えばアリアさんに換金してもらっていたんでした。


「それと、カイさん自分がしたことわかってます?」


「え?」


突然の事で呆けてしまった。


「はぁ。分かっていないようですが、今回の魔石の量とカイさんの迷宮からの帰還の速さは、はっきりいって異常です。魔石全部合わせて七十五個って最低ても七十五匹はたおしてますよね?そしてカイさんが冒険者登録をしてからここに帰ってきた時間は三時間を切っています五階層に帰還魔法陣があるにしても十階層まで行って三時間切るなんて初心者の冒険者にしては異常ですよ!」


「まぁ、外の魔物でレベル上げはしてましたし加護持ちですからねぇ。」


まぁ、予想はしていた。

初心者にしては異常と思われるは当然、この状況イベントは今まで読んできたラノベではお馴染みのパターン。いわゆる定型的テンプレだ。

そしてこのイベントをクリアするのに出した答えが加護持ちだと伝えることだ。これがテンプレであるならこれで乗り切れるはず!!


「……なるほど、理解しました。」


よし、これなら大丈夫そう。


「カイさん、加護持ちの事は私とカイさんの秘密にしておきましょう。」


もちろんそのつもりだ。変なのに目をつけられたらたまったもんじゃない。


「そうですよね。神様からの恩恵ですから利用される恐れもありますしね。」


「え?」


ちょっと、アリアさ〜ん。

固まってますけど大丈夫ですか〜。


「なぜ……」


「?」


「なぜ、それを私に教えたんですか?」


アリアさんの真剣な眼差しをみた。

これは下手な答えは返せない。


「それはアリアさんを信用しているからです。」


僕は答えたアリアさんに負けないほどの真剣な眼差しで。

すると大きなアリアさんはため息をついた。


「もう。カイさんって人は。」


「どうかしました?」


「どうかしました?じゃありません!神様の加護なんておとぎ話にしか出てきませんよ?持っていても精霊や龍と言った加護かな?としか思ってませんでした!」


「なるほど。」


そういう事ね。

神様からの加護は持ってる人はいないくらいに考えておかないとダメみたいだな。


アリアさんはまた真剣な眼差して僕に言った。


「今後、加護の件は私と同じくらい信用している人にしか話しては行けませんよ?」


きっと本気で心配してくれているんだろう。

アリアさんは本当にいい人だ。

僕の心の支えになってくれた人だ。その言葉を無下にはできない。


「分かりました。そうします。」


「分かったならいいんです。」


そう言うとアリアさんは仕事の顔に戻り続けた。

オンオフの切り替えが凄い人だ。


「では最後に、カイ・イトーさん。今回の業績により冒険者ランクをC級となりました!おめでとうございます!」


「え?」


今日は驚きのオンパレードだな!?

て言うかC級になるには試験がいるって言ってなかった?


「あの、試験は受けなくていいのですか?」


「はい。C級になるには500P+試験となっております。カイさんの討伐Pは503P、そして、この都市での試験内容は十階層のクリアとなっております。」


「なるほど。知らないうちに試験内容クリアしてたのか。」


「そういう事になりますね。では今後も期待していますよ!期待の新人さん!!」


「はい!頑張ります!!」


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