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プロローグ

とうとう書いてしまったよ。

僕の名前は伊藤いとうかい

歳は16の普通の高校生だ。


成績は平均、運動能力も平均、クラスの人気度も平均くらいの普通の高校生。

好きな女の子に告白して振られたときの彼女の言葉は「伊藤くん普通すぎて彼氏向きというより友達向きだよね。」というくらいに普通だ。勿論、その女の子とは今も友達として仲良くさせてもらっている。


でも考えてみてほしい。普通の高校生が自分のことを普通だと言い張ることなんてあるだろうか?いや、ないだろう?


僕はクラスの皆に知られたくないことがある。それを隠すために普通を装い高校生活をすごしている。


皆に知られたくないこと……それは僕がラノベが好きだということだ。


ラノベくらいでと思うだろう?

いや、そう思うのはしかたないと思う。最近はラノベがアニメ化されてヒットするなんて事は多々ある。年々、ラノベ好き=オタクという偏見は少なくなってきているのも事実。

だが、少なくなってきているだけであり〇になったという訳では無い。


これはあくまでも知り合いの話だが、ラノベ好きという理由で中学生時代のほとんどを偏見の目で見続けられていた奴がいた。

あっ、えと、ち、因みに僕ではないぞ?あ、あくまでも知り合いの話だ。

その知り合いは思った。学校生活でラノベの話を持ち出すのはあまり宜しくない。高校生になったら普通を装うことにしよう。と。


僕はその知り合いの事実談を聞き、見習って普通を装うことにしたのだ。

け、決して僕のことではない。知り合いだ。ここ重要。


まぁ、そんな感じで僕は学校生活を送っている。



僕の紹介はこれくらいにして今日ことを話そう。今日は七月七日の七夕の日だ。そして僕はとある山の竹林に来ていた。理由はもちろん短冊に願いを書いて竹に飾るため。


別にわざわざ竹林に来る必要があるかって?そりゃ、この竹林の幼い竹に短冊を飾ると願いが叶うってネットのコメントに書いてあったからに決まっている。それくらい叶えたい願いが僕にはあるんだ。


僕の願い事は【チート能力をもって異世界に行けますように】だ。


あれ、なんか冷たい視線を感じる。近くに誰もいないのに冷たい視線を感じる。

どうせ僕はオタクですよーだ。それも末期の。



短冊を飾り終え、僕は空を見上げ「こんなことして叶うわけないのにな」と独り言を呟き、山を降りることにした。


それにしてもこの山、登りより下りの方がキツイときた。と言うか険しい。普通に崖っぽくなってる。来た時は登るのに必死だったから気づいてなかったけどほんとに足を滑らせたら生きて戻れるか謎なくらいな崖だ。ここはひとまず慎重にいこう。


そう決意し、落下防止の鎖を握り1歩ずつ……パキンッ


「え?」


鎖が切れた。


鎖が劣化していたのだろうか?それとも慎重になりすぎて体重をかけすぎたのか?僕はそんなことを考えながら崖下に落ちた。



強い衝撃。激しい痛み。生暖かい自分の血液。奪われていく体温。意識が遠のく。死。



目を覚ますと。辺り一面が真っ白な空間にいた。


「やっと目が覚めたようだね。」


声をかけてきたのは純白のローブを着たとても綺麗な女性だ。例えるなら女神のような……


「とても綺麗な、とか言われると照れるんだけどなぁ。」


あれ?きこえちゃってる?僕の心の声きこえちゃってる?もしかして女神って当たりだったり?


「うん。聞こえちゃってるよ!そして当たり!」


いやーやっぱり死ぬと神様に会えたりするんですね。


「君が特別なだけだよ?」


え?何が特別なんですか?ぼ、僕、悪いことでもしましたか!?


「いや、そーじゃなくてね。死ぬタイミングがねー」


といいますと?


「君たちの世界で七夕の日、短冊に願い事を書いてすぐに死んでしまうとその願い事が叶う決まりなんだよー」


なんかテキトーなきまりですね。


「そー思うじゃん?でも願い事を叶える条件ってかなり低く設定しないといけないんだよ?」


でもこの条件ならさほど低いとは思わないんだけど。


「じゃあ、例えばモテたいと短冊に書いたあと死んだらどうなる?」


あ、なるほど。死んだ後にモテるなんて事はないってことね。死んでたら叶っても無意味な願いは叶えられないってことか。


「そーいうこと。だから君が初めてなんだよね願い事がきちんと叶うのって。」


え?もしかしてチート持ちながら異世界にいけるんですか?


「もちろん!そういう願いだからね!」


魂だけとかいわないですよね?


「そこはサービスしようじゃないの!」


ありがとうございます!!!


「因みに異世界っていうけど、どんな異世界がいいんだい?」


じゃあ、いろんな種族がいて、魔法があってスキルがあって、ダンジョン攻略がメインの仕事にできる世界がいいです!


「オーケー、そしてチートなんだけど……どんなチートがいいんだい?三つくらいまでならできる範囲であげちゃうけど。」


三つも!?

じゃあ、一つはゲーム画面のようなの視界?なんていえばいいんだろ?


「なんとなくわかったよー思ってるのと違うようならちょくちょく修正いれてあげるね!じゃー二つ目!言ってみよー」


二つ目は神様の加護がほしいです。


「うーん。もともと渡すつもりだったからなぁ。じゃあ、これまでに無いくらいの最大の加護を与えようじゃないか。じゃー三つ目!言ってみよー」


最後、三つ目はダンジョンの全てを知ることができる能力がいいです。


「いいんだけどさー。加護を一番最後に言ってくれた方が嬉しかったなーなんてね。」


それは……なんかごめんなさい。


「いいよー私は優しい神様だからね!」


それはここに来てよくわかったよ。でもここでお別れなんだろ?


「まぁ、それは。わたし神様だからねーじゃあ、送るけどいいかな?」


うん。頼む。


あれ、なんだろ?

視界がぼやける。僕、泣いてるのか?

おかしいな。神様といえど知り合ったばかりなのに。

別れがこんなに辛いなんて……


光の粒子が僕を優しく包み込む。なんて暖かいのだろうか。そして僕は神様の優しさに包まれながら意識を失った。



「ふふっ。かわいいんだから。」




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