森へといざ
「3人共、無事でよかったです。さて、レイの予言がこんなに早く来てしまうとは…」
女王は3人が階段を上ってくるのを知り、外で待っていてくれていた。
もちろん一人ではなく、後ろに4人ほど恐い人を連れてだが
「黒いスライムはそれほど強くはありませんが、一度に大量に出てくるので数で押される可能性があります。今の所その心配はありませんが、いつまで持つか分かりません」
ヒカルは女王に早速現状報告をした。
「恐らくは森と関連していると思われます。森にも同じ黒いものが出現しているとのことですから、なにか手がかりがつかめるかもしれません」
「では、いますぐ森へと向かいます。レイ、ついてこい」
「私も行きます!」
「お前はダメだ」
「なぜです?私は戦力外だからですか?」
「今の状況で森に入るのは危険だ。なにがあってからでは遅い」
「こんな時にじっとしてなんかいられません!なにか私に出来ることがしたい」
いつの間にか感情的になってしまっていた、ひな。
ヒカルが心配していることは分かるが、置いてきぼりにされることがひなにとっては嫌だったのだ。
「二人とも、落ち着いてください」と女王が二人の間に立つ。
「すみません」
「・・・・」
「私から提案があります。ひなを一時的に魔法が使えるようにします。
使い方はレイに教えてもらうようにします。これなら彼女を連れて行っても大丈夫でしょ?」
「しかしっ・・・」
「これは命令ですよ。ヒカル」
「・・・・分かりました」
「というわけなので、彼女とヒカルのサポートをよろしく。レイ」
「かしこまりました、女王」
女王が命令だと言ったことに反抗することはできなかった。
あきらめるしかないかとヒカルは溜め息をついて、その顔でひなの方を向く。
「いいか。絶対に無茶はするなよ」
「はい」
「レイ、俺が倒れたらひなを頼むぞ」
「言われなくてもそうするよ」
こうして、ひなは女王により一時的に魔法を使えるようになった。
レイのようにステッキを使用するために右手にステッキを持つ。
「時間がない。森まで一気に行くぞ」
「また階段かぁ」
透明な階段は森の所まで続いている。最初のころは上りだったが、今回は下り、とても危険な状況。
「いつ黒いのが降ってくるか分からないからな、文句を言っている暇はない」
「だってさ、ひな」
「私は何も言ってません!!」
顔に出てるよ、とレイに言われた。否定したが、たしかに文句は言ってられないと思った。
約30分が経過したところでもうすぐ森というところまで下りて行った3人。
さすがに休憩せずにおりたせいでへとへと。
足が痛くなってきたが休むわけもいかなかった。がんばってもう少しだと自分に言い聞かせた途端の出来事だった。
「うわっ!?」
足を踏み間違えてしまった。
「あぶない!」と前にいたレイがひなの身体を支えようとするもバランスを崩してしまい・・・・・。
どどどどっどどどどどどどど・!!!!!
階段を転げ落ちてしまった。
「・・・はぁ。なにやってるんだ、あいつら」
残ったヒカルは深いため息を付いたあと、最後まで行っただろうとその場の階段から飛び降りた。
「いてててててっ」
「いたい・・・・」
二人は衝撃が強すぎて立ち上がることが出来ずにいた。
「まったく。こんな時までドジってられるな」ときれいに着地した後に何事もなかったかのように言うヒカル。
「すみません・・・」
「女をまともに支えられないとは情けない」
「うっ、うるさい・・・・」
「さっさと立て。時間はない」
「「はーい」」
さてさて森に手がかりはあるのか!!