異世界でどうしてこんな目に
透明な階段を上ることになった二人。
途中でひながギブアップしてしまい、ヒカルがひっぱる形でなんとか城の正門前までたどり着くことができた。
ヒカルが正門の門番に交渉した後、門番により大きな門はすぐに開いた。
ひなはヒカルの後ろに着いて城の中へと入って行った。
「きれい・・・」
外見もそうだが、中もそれ以上にきれいなものだった。
「もうすぐ女王のいる部屋に着くぞ」
女王様・・・。いったいどんな人なんだろう?
「ヒカルです。ただいま戻りました」
「はいりなさい」
綺麗な声が響いた後、扉がギギィー…と開く。
ヒカルに続いてその部屋の中に入ると、後ろの扉が静かに閉まる。
私はそれをじーっと見ていた。
これは・・・
「その子が言っていた女の子なんですね」
「はい。森の中で一人で倒れていたところを偶然見つけました」
「そう。話は聞いていたけれど・・本当、不思議ね」
「自分もそう思いました」
・・・なんかはずかしい。
「森の中にいたのよね?」
「彼女は気が付いたら森の中にいたと言っておりました」
「・・・ヒカル」
「はい」
「もしかしたら、彼女はレイが言っていたことかもしれないわ」
「!?」
レイって・・・
「確かに、彼の予言が本当なら彼女が現れたことも納得がいきます。
となるとあのことも近いうちに起きるということになります」
「大変なことになりそうね」
「もう一度、レイに会いに行こうと思います。彼はいまどこに?」
「ここにいないとしたらだいたい何か所か限られてくるわ」
「では、今から「ヒカル、今日はもう遅いわ」
「しかし!」
「これは命令です」
「・・・わかりました」
まったく話についていけない。
「ひな、でしたね?」
「はっ、はい!!」
「ごめんなさいね。あなただけおいてけぼりにしてしまって」
「いっ、いえ」
「突然のことで驚いているでしょうけど、大丈夫です。必ず、私達があなたのいた世界に戻します。それまではここにいて構いません」
「はい!ありがとうございます!!」
「あなたのことはヒカルに任せます。困ったことがあれば彼に聞いてください。ヒカル、彼女のことをよろしくね」
「かしこまりました」
「話はこれでおしまいです。部屋を用意しますから、今日はゆっくり休みなさい。明日はヒカルと一緒にレイを捜しに行ってもらいます」