残酷な父親と息子
「まさか・・・そんな・・・・・」
「生きてるとは思っていなかった。すでに死んでいると思っていた」
「・・・どういう意味だ」
・・・数年前
「検査の結果ですが、この赤ん坊は我々の力を使うことは不可能です」
「・・・そうか。やはり、無駄だったか」
「大変です!」
「娘が赤子を連れて逃げました!」
「ちょうどいい。見つけ次第始末しろ」
それから数分後
「逃げられた?」
「申し訳ありません。ですが、いづれ時間の問題かと思われます」
「まぁ、いいだろ」
「別の世界に逃げ込んで生き延びれるわけがないと思っていた。それが、まさか生きのびてるとはさすがに俺も驚いたよ。以前ここに放ったのをお前が倒す映像を見た。それで確信した、容姿、行動力、そしてあの魔法の使い方。明らかに似ていると思ったよ。あの能力のない赤子がここまで成長しているのを見て笑ったのは生まれて初めてだ」
ヒカルは愕然とした。
今ここにいるのが、自分の親だということに。
城の前で捨てられて、女王に命を救われ、成長するにつれて明らかになる自分の立場に孤独に押しつぶされながらも自分を制御し、女王の側でお使いしてきた。
そして、やっと知れた自分の出生
今まで考えもしなかったのに、どうして・・・そうなると、腹が立ってきて。
「俺は・・・俺はお前を親だと認めない!!!!」




