ヒカルの秘密
「くそっ!??」
「待て、今雷撃を使うな!」
オオダコは湖にいる。ここでレイの電撃を使えばひなに当たる可能性も高い。
「じゃあどうすればいい!?」
「落ち着け!!」
ヒカルはレイに思いっきり叫んだ。
それを聞いてレイはびくっと身体を震わせ、焦りは一気に引いた。
「ごめん。ヒカル・・・僕「いい。分かればそれで」
この時、レイはまたやってしまったと二度の失言に後悔した。
ヒカルは怒っても良かったはずなのに、それとも気にしてもいないのかいつもの冷静な対応でなんともないかのようにスル―していく。
まぁ、あいつらしいけど。とレイはそんなヒカルを羨ましく思った。
バシッ、バシッ!!
ヒカルは自分に襲い掛かるオオダコの足を交わしつつ、ひなの方へと向かっていく。
が、しかし敵もそれをさせまいと早い速さでヒカルめがけて攻撃
バシッ、バシッ!!
「っ!?」
後ろからの攻撃にヒカルの防御が間に合わない。
「シールド!!」
間一髪でレイのシールドがヒカルを守った。
「レイ、魔方陣はできないのか!」
「そんな体力あったらとっくに使ってるって」
「くっ!」
やはり自分がなんとかするしかないとヒカルは思った。
バシッ、バシッ!!
だんだんスピードが速くなっていく。
「ヒカル、後ろ!!」
「っ!?」
バシャ!!!!!!
「ヴァ!???」
ドカン!!!!
ヒカルは後ろから来たタコの足に捕まれ、投げ飛ばされてしまった。
「・・くっ」
生きているもののダメージはかなりのものだった。
レイは急いでヒカルの元へと走る。
するとオオダコはレイには目もくれずに湖の中へと潜っていく。
「待てっ・・ぐはっ」
「ヒカル!!!」
「・・・ひな」
「その身体では無理だよ」
「・・・・レイ」
「なに?」
「力を・・貸してくれ」
「!?出来るわけないだろ、今の身体で使ったら「・・・頼む」
ヒカルは本気だと分かったレイは、止められそうにもなかった。
覚悟を決めて今思っている感情を抑えて口を開く。
「・・・死ぬなよ」
「あぁ」
ダメージがある身体で使うのは大変危険だということをヒカルは承知の上でレイに頼んだ。
たとえ自分が死んでもひなのことを任された責任は果たさなければならない。
彼女を絶対に救いだす。オオダコが湖に入ってまだ数分。
そして、レイによってヒカルは一時的に動ける身体になり、すぐさま湖の中へと飛び込んでいった。




